節約上手になる食費のやりくり「9000円を毎週財布に入れておく」でムダ遣いを減らせるカラクリ
給料日のたびに「今月はできるだけ出費を抑えよう」と決意してATMに並んでも、月末にはいつの間にか財布がからっぽ……それもそのはず、大切なのは節制よりも「いくらおろすか」だからだ。お金を財布に入れる瞬間から始まっている「節約上手」への道を、専門家に解説してもらった。【前後編の前編。後編につづく】 【図解】「食費」の目安は「月7万円」 2人以上世帯の消費支出の内訳(家計調査)
“なくなったらおろす”パターンの人はお金がたまらない
お金を貯めるためにもっとも大切なのは“必要なだけのお金”を持ち歩くこと。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんが言う。 「財布に入っている現金は“いつでも使えるお金”。現金を多く入れすぎるとまだ○円あるからと気が大きくなって心のリミッターが外れやすく、使いすぎてしまいがちです。かといって少なすぎても、もしものときに困る。財布の中に入れるのは“そのとき、使い切ってもいい上限未満の金額”にすべきです」 そのためには、あらかじめ使い切っていい額を決めておくことが重要だと、山口さんは続ける。 「なんとなく5万円、とりあえず5000円、なくなったらまた5000円……と、いちばんお金が貯まらないのは“なくなったらおろす”パターンの人です」 ファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが言う。 「家計支出のうち、住居費や光熱費、通信費などは口座引き落としが多いので、財布に現金で入れておく必要があるのは基本的に『食費』と『日用品費』です」
まず、変動しやすく、現金払いが多い食費をどう考えるか。 「節約しようとするあまり“月の食費は2万円!”などと決めて栄養不足で体調を崩したら、医療費の方が高くつくので、食費の予算立てでの無理は禁物。 総務省の家計調査では、2人以上の世帯の食費は月7万円前後。ひとり暮らしでも3万円ほどなので、『食費2万円』はかなり無理のある金額です」(飯村さん・以下同)
1か月を「5週」にわける理由
では、お金を貯めるために持ち歩くべき現金はいくらなのか──本誌・女性セブンが導き出した正解の1つが「9000円」だ。 現役世帯の場合、月の収入に対する食費の割合は17%。各家庭によって差はあるが、内閣府の統計では65才以上世帯の収入の平均は月27.6万円なので、これをもとに食費の予算を計算すると、約4万5000円になる。これを「5週分」で割った9000円を、毎週財布に入れておくのだ。 1か月は5週の月もあるので、4ではなく5で割るのがミソ。 「5週目は多い月でも3日なので予算が余りやすく、調整しやすい。余ったら翌週に回したり、予備として取っておけばお米や調味料が必要になったときも余裕を持って買い物できます」(山口さん・以下同)