「大混乱」鎌田大地ら大量流失のラツィオに地元記者が嘆き。主将インモービレも移籍濃厚「無名のチームが生まれつつある」
「もはや歩みを保てるクラブではない」
ラツィオ主将のチーロ・インモービレが、トルコに向かっている。 イタリアメディアによると、インモービレは年俸600万ユーロ(約10億2000万円)の2年契約という条件でベジクタシュに移籍する見込みだ。昨夏は中東行きが騒がれながら残留したが、今夏は退団濃厚の様子。ラツィオが新時代を迎えていることも影響しているだろう。 【PHOTO】“世界一美しいフットボーラー”に認定されたクロアチア女子代表FW、マルコビッチの厳選ショットを一挙お届け! 鎌田大地も所属した2023-24シーズンのラツィオが苦しんだのは周知のとおり。前年はセリエAで2位となり、チャンピオンズリーグ出場を果たしたが、昨季は不振にあえぎ、シーズン半ばでマウリツィオ・サッリ監督が辞任した。最終的には7位でリーグ戦を終えている。 さらに、シーズン終盤に存在感を高めた鎌田は、契約更新に至らず退団。これも一因となり、チーム編成を巡ってクラブと衝突したサッリの後任イゴール・トゥドールも辞任した。ラツィオは昨季にヴェローナを残留に導いたマルコ・バローニを新監督に招へいしている。 監督交代だけではない。鎌田のほかにも、ルイス・アルベルトやフェリペ・アンデルソンなど、近年のチームの顔だった選手たちが相次いで退団したことで、ラツィオはその様相を一変させつつある。34歳のインモービレも、チームの中心から外れるとの見方が強まっていた。 それでも、長年にわたってラツィオをけん引し、セリエAで通算4回の得点王に輝いたインモービレが移籍するとなれば影響は小さくない。ルイス・アルベルトやフェリペ・アンデルソンと同時期の退団となるだけになおさらだ。しかも、ラツィオがこれまで獲得してきた夏の補強は、サポーターを熱狂させるようなビッグネームではない。 ジャンニ・ベッツィ記者は、『Radiosei』で「我々が目にしているのは、アイデンティティの危機だ。インモービレの件の後ならなおさらだろう。無名のチームが生まれつつある。ユニホームが水色という以外、どうやって人々が起きていることを認識できるのか」と、クラブを批判している。 「大変混乱していると思う。3年間でルイス・アルベルト、カマダ、フェリペ・アンデルソン、フェリペ・カイセド、おそらくはインモービレといった選手たちが去っていった。そして今はルム・チャウナ、ティジャニ・ノスリン、フィサヨ・デレ=バシル。もはや歩みを保てるクラブではないという感覚だ。本気でサポーターにプレゼントをしたいなら、一歩後退する意欲を示さなければならないだろう」 鎌田との交渉で選手陣営を非難したのをはじめ、強気な姿勢を貫くラツィオのクラウディオ・ロティート会長だが、現時点ではその手腕に厳しい声が寄せられている。長年にわたってクラブのかじ取りをしてきた名物会長が、どのようなチームをつくるのか注目だ。 構成●サッカーダイジェストWeb編集部