川中美幸の笑顔にはワケがある 「一期一“笑“」は母の教え「困難な時こそ明るい笑顔で」
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 演歌歌手川中美幸(68)が4月11日、東京・渋谷区で経営するお好み焼き店「かわなか」で新曲「人生日和」の発売記念イベントを行いました。 同所で行ったのには理由があります。「ここは私の原点だから。お好み焼きのにおいをかぐと初心を思い出します」。自身の歌で人に笑顔や元気を届けたい。そのことが歌う理由・モチベーションで、そんな娘を17年に92歳で亡くなった母久子さんはずっと応援をしていました。お好み焼きのにおいは、店の看板娘だった久子さんのにおいでもあります。 久子さんと川中は“一卵性母娘”と呼ばれるほど仲良しで知られていました。久子さんは常に前向きに人生をとらえ、川中はその言葉を全て日記に書きとめていたそうです。 例えば…。 17歳で歌手デビューをした2年後。歌手をあきらめて実家に戻った時は「歌だけが人生じゃない。健康な体さえあれば大丈夫。あなたは何をやっても大成する人だから」と傷心の娘を優しく励ましました。 紅白歌合戦の出場が途切れた際は「良かった」と言い出して「これであんたの厄逃れができた。体にもしものことがあったら、その方が嫌や」と気落ちする川中を慰めて前を向かせました。 そのほかにも「植木に例えたら、お母ちゃんは土であんたは花。土がしっかりしてれば花は枯れても何度でも咲くから」「まずは自分を大事にしいや。自分を大事にするのは他人を大事にすることやで」。含蓄のある言葉ばかりです。川中はコロナ禍で日記を読み返して「こういう困難な時こそ、明るい笑顔で乗り越えていかないといけない」と気持ちを新たにしたそうです。 久子さんが亡くなって6年半がたちます。死去から2年後の取材では「母の鏡台を使っています。下着も使っている」と話していました。今は「まだ納骨ができない。お母ちゃんと離れられないから。パッチも靴下も捨てられないで使っています。すごくピッタリで温かいの」。そして「化粧を落として素顔で鏡をみたら母そっくり。だから母に会いたくなったら鏡を見るようにしている」と笑わせます。 一期一会の「会」を「笑」にして「一期一笑(え)」がモットーの川中は常に笑顔を忘れません。「いつも笑顔で」。それは久子さの教えでもありました。