クニエ、データマネタイゼーションに取り組む企業を支援--「アイデア抽出サービス」を提供
ナブテスコでは、自動ドアを起点とした新規ビジネスの取り組みに向けて、クニエのデータマネタイゼーションの方法論にのっとった検討を行った。 ナブテスコは、精密減速機などのコンポーネントソリューションをはじめ、自動ドアやプラットフォームドアなどのアクセシビリティーソリューションなど幅広い分野で製品を提供している。 今回は、アクセシビリティーソリューションとして提供する自動ドアの開閉センサーのデータを活用したビジネスをクニエと共に検討した。アイデア抽出のフェーズでは、クニエのフレームワークに沿い、両社のメンバーで案を出し合いながら推進したという。 黒須氏は、「社内では限定的なアイデアしか抽出できなかったが、(クニエとの取り組みで)幅広くかつ網羅的に案を挙げられた。また、今まで上がってこなかったアイデアが出たことや、われわれのようなメーカーの目線とは少し違った、クニエによる業界知見や調査によって客観的な評価をもらえた」とメリットを述べた。 現状、アイデア抽出を終えた段階であるため、今後はクニエとの取り組みで挙げた案のうち1つのテーマについて推進判断するかを検討中だという。 サイキンソーでは、保有データの見直しと収益源の創出のため、クニエのデータマネタイゼーション支援を採用したという。サイキンソーは、消費者向けに腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」を提供している。 同社は、検査技術とサービスを通して日本人の腸内フローラに関する膨大なデータを蓄積するデータベースを構築。現在は12万検体に到達しているという。蓄積したデータをビジネス化するため、「Cykinsoデータ分譲サービス」を立ち上げ、匿名加工処理したデータをユーザーや医療機関に提供できるようにしている。 データ分譲サービスの立ち上げ当初は、一部の疾患領域でデータ活用が進んでいたものの、産業面での応用の糸口がつかめずにいたという。そこで、クニエのアイデア抽出サービスを採用することで、個人データやターゲットの見直しを通して、アカデミアなどの疾患研究から、商品開発やマーケティング担当者へ間口拡大の可能性が見えたという。また、保有データの付加価値を高める施策創出により、新たなビジネスモデルの創出にもつながった。 現在は、複数の食品やサプリメントメーカーがデータ分譲サービスを導入し、マーケティング施策に役立てているという。同社は今後も、腸内細菌叢のデータマネタイゼーションを推進し、腸活ヘルスケア市場の発展に寄与する構えだ。