片岡仁左衛門、「仙石屋敷」の上演に「お客様に“また見たい”とおっしゃっていただけるようにしたい」
「松竹創業百三十周年 京の年中行事 當る巳歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」より、出演者の片岡仁左衛門の取材会が、去る11月5日に京都府内で行われた。 【画像】片岡仁左衛門(他2件) 「吉例顔見世興行」は、毎年12月に行われる南座の恒例興行。仁左衛門は、夜の部「元禄忠臣蔵」より「仙石屋敷」に出演し、大石内蔵助を勤める。同役について仁左衛門は「大石内蔵助の心情を伝えることを心がけています。セリフを意識しすぎますと、思いが伝わらないこともあるので、そこには気をつけています。『元禄忠臣蔵』の中でも、『仙石屋敷』は『御浜御殿』や『大石最後の一日』よりも上演回数が少なく、セリフが中心のお芝居ではありますが、お客様にはまた見たいとおっしゃっていただけるようにしたいですね」と語る。なお、本作には仁左衛門のほか、吉田忠左衛門役で中村鴈治郎、堀部安兵衛役で市川中車、磯貝十郎左衛門役で中村隼人、大石主税役で中村鷹之資、大高源吾役で中村亀鶴、間十次郎役で片岡進之介、そして仙石伯耆守役で中村梅玉が出演する。この出演者の顔ぶれに関して、仁左衛門は「豪華な共演者の方々に出演いただいています。同じ顔見世の中で主演をなさるような方もいらっしゃる。そういう意味でも、ぜひご覧いただきたいです」と言及した。 さらに仁左衛門は、「忠臣蔵」の魅力を「“悲劇”だから惹かれるのではないかと思います。赤穂浪士たちは最後には切腹を命じられてしまいますが、結末がこうでなければ、ここまで取り上げられなかったのではと思います。もともとは300名あまりいた赤穂浪士たちが、2年間の間に47名になる。この2年間というのはとても長い2年だったと思うんですね。その間に親もあり、妻子もあり、逃れられない絆があってどうしても去って行ってしまう人もいたでしょう。ただそれを責めるのではなく、それが人間の本当の姿だと内蔵助は言っている。そういうところがとても好きなんです」と述べた。 「松竹創業百三十周年 京の年中行事 當る巳歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」の公演は、12月1日から22日まで京都・南座にて。チケットの一般販売は11月9日10:00にスタート。 ■ 「松竹創業百三十周年 京の年中行事 當る巳歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」昼の部 2024年12月1日(日)~2024年12月22日(日) 京都府 南座 □ スタッフ 第一、新作歌舞伎「蝶々夫人」 脚本・演出:石川耕士 第二、「『三人吉三巴白浪』大川端庚申塚の場」 作:河竹黙阿弥 第三、「『大津絵道成寺』愛之助五変化」 作:河竹黙阿弥 構成・振付:二世藤間勘祖 第四、「ぢいさんばあさん」 原作:森鷗外 作・演出:宇野信夫 □ 出演 第一、新作歌舞伎「蝶々夫人」 お蝶:中村壱太郎 山森酉蔵:中村錦之助 花月楼女房お駒:中村鴈治郎 第二、「『三人吉三巴白浪』大川端庚申塚の場」 お嬢吉三:片岡孝太郎 お坊吉三:中村隼人 和尚吉三:中村錦之助 第三、「『大津絵道成寺』愛之助五変化」 藤娘 / 鷹匠 / 座頭 / 船頭 / 鬼:片岡愛之助 弁慶:中村鷹之資 犬:中村虎之介 矢の根の五郎:坂東巳之助 第四、「ぢいさんばあさん」 美濃部伊織:市川中車 宮重久右衛門:中村萬太郎 久弥妻きく:中村壱太郎 宮重久弥:中村虎之介 下嶋甚右衛門:坂東巳之助 伊織妻るん:中村扇雀 ■ 「松竹創業百三十周年 京の年中行事 當る巳歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」夜の部 2024年12月1日(日)~2024年12月22日(日) 京都府 南座 □ スタッフ 第一、「『元禄忠臣蔵』仙石屋敷」 作:真山青果 演出:真山美保 第三、「『曽我綉俠御所染』御所五郎蔵」 作:河竹黙阿弥 監修:片岡仁左衛門 □ 出演 第一、「『元禄忠臣蔵』仙石屋敷」 大石内蔵助:片岡仁左衛門 吉田忠左衛門:中村鴈治郎 堀部安兵衛:市川中車 磯貝十郎左衛門:中村隼人 大石主税:中村鷹之資 大高源吾:中村亀鶴 間十次郎:片岡進之介 仙石伯耆守:中村梅玉 第二、「『色彩間苅豆』かさね 初代中村萬壽ご当地にて御目見得」 腰元かさね:中村萬壽 百姓与右衛門実は久保田金五郎:片岡愛之助 第三、「『曽我綉俠御所染』御所五郎蔵」 御所五郎蔵:中村隼人 星影土右衛門:坂東巳之助 傾城皐月:中村壱太郎 甲屋女房お松:片岡孝太郎 第四、「越後獅子」 角兵衛獅子:中村鴈治郎 / 中村萬太郎 / 中村鷹之資