専門家「供述補強する客観証拠が重要」 17年前の加古川女児殺害
兵庫県加古川市で17年前、小学2年の女児(当時7歳)を刃物で殺害したとして、兵庫県警は27日、無職の勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)を殺人の疑いで再逮捕した。 【図解で分かる】一連の事件を巡る経緯 ◇「自白だけでは有罪認定できぬ」 容疑者本人の供述が鍵となり、発生から17年かかって逮捕に結びついた。専門家は「供述を補強する客観証拠が重要だ」と語る。 「本人の自供内容を吟味し、裏付け捜査を実施して容疑者と特定した」。27日午後、県警加古川署で記者会見した捜査1課の柱谷昌彦課長はこう強調した。捜査が長引いた点については「一瞬のうちの犯行で客観証拠が乏しく、難しい捜査を強いられたことが大きな要因だ」と語った。 甲南大の笹倉香奈教授(刑事訴訟法)は「犯人しか知り得ない『秘密の暴露』は重要だが、自白だけでは有罪を認定できない」と指摘。容疑者ら関係者の記憶も薄れていることを加味する必要があるとし、「自白と客観証拠が矛盾しないか、整合性を慎重に見極めて捜査を進めることが必要だ」と話す。【高良駿輔】