年金にも、「576万円の壁」があるって知っていますか?年金受給中は働きすぎに注意!?
年金受け取りの際、収入が576万円以上になると受給額が減るといううわさを聞いた人もいるでしょう。年金には在職老齢年金という制度があり、働きながら年金を受給すると年金額が一部または全額支給停止されますが、576万円が壁とは限りません。 本記事では、在職老齢年金とは何か、どのくらいの収入だと年金支給額が減ってしまうのかについて解説します。計算式についても触れているので、在職老齢年金の対象になっている人は参考にしてください。
年金受け取りの際576万円が壁になるのは本当?
年金を受け取る際、年収576万円が壁となると聞いたことはあるでしょうか。年金を受給する年齢でありながら働いて一定以上の収入を得ている人は「在職老齢年金」と言われる制度により、年金額が減ってしまいます。 本項では、なぜ576万円が壁だと言われるのか、在職老齢年金によってどのくらい年金が減ってしまうのかについて解説します。 ■在職老齢年金とは? 在職老齢年金は、60歳以上の厚生年金受給者が対象です。働きながら厚生年金を受け取れる制度ではあるものの、一定の収入以上になると年金の一部カットまたは全額支給停止となる場合があります。 「働いている間は年金を繰り下げ受給すればよい」と考えるかもしれませんが、年金受け取りの繰り下げをしても、支給停止される部分は増額の対象にはなりません。 なお、国民年金のみを受給する個人事業主の場合は在職老齢年金の対象外です。国民年金受給者は、収入にかかわらず全額支給されます。 ■在職老齢年金で576万円が壁と言われる理由 年金の受給対象となった60歳以上の方が、月の収入(基本月額+総報酬月額相当額の合計)が48万円を超えると、年金がカットされます。この48万円を1年で計算すると48万×12月=576万円となることが、年金の受け取りに対し576万円が壁と言われている理由です。 しかし実際は、受け取る年金額や収入などによって在職老齢年金がいくらもらえるかは変化します。必ずしも576万円が壁ではない点に注意しましょう。