【社会人野球】プロを含む台湾、韓国を撃破! 侍ジャパン社会人代表がアジア選手権を制すことができた理由
「オール社会人」で頂点に上り詰めた意義
アジアのライバルである台湾は台湾プロのトップ、マイナーリーグの選手が名を連ね、韓国はプロの若手有望、大学生でチームを編成。一方、日本は社会人選手24人で臨み、アマチュアがプロを撃破する構図となった。「オール社会人」で頂点に上り詰めた意義を語る。 「相手はプロ。こちらが社会人という中で、絶対に負けたくない思いが強かった。プロには行けていないんですけど『社会人はこれだけやれるんだ! というところを見せたい』と。チーム全員でその思いを結集できたので、金メダルを獲得することができました」(中村) 「台湾の選手は、日本の社会人野球のレベルの高さに驚いていたと聞きました。僕自身、うれしく思いました。僕たちはプロではないんですけど、誇りを持ってやっている仕事なので、『アジア選手権制覇』という形で表現できたので良かったです」(向山) 「僕自身はプロ、アマのカテゴリーは関係ないと思っています。台湾を2試合連続完封したように、社会人野球のレベルは上がっている。台湾、韓国は同世代の選手たちなので『相手がプロだから』というのは言い訳にしかならない、と自分では考えていました」(嘉陽) 国際試合で必要なこと。すべての侍ジャパン世代に参考になる教えを、嘉陽は語った。 「短期決戦になるので、調子に左右されない。今までやってきたことを、その場で出すしかない。キャッチボールの調子が悪いと思っても、そのコンディションでやるしかない。置かれた状況を冷静に受け入れ、自分でコントロールしていくことが大事になる。若い選手は実力はあるので、気持ちの面で1個、成長してもらいたいです。自分もまだまだのところがある。社会人野球のレベルアップのため、皆で切磋琢磨していきたいと思います」 社会人6年目の嘉陽は7月の都市対抗優勝に貢献し、MVPに当たる橋戸賞を受賞。23年の社会人野球年間表彰では、28歳で初のベストナインを受賞した。 「この1年は充実していましたし、自分の体を、自分の思いどおりに動かせた。2026年の名古屋開催のアジア競技大会に向けて頑張っていきたいです。来年以降も引き続き、同じ成績を残せるようにしていきたいと思います」 あくまでもアジアチャンピオンは通過点。26年のアジア競技大会までが任期である川口監督は、さらなるチーム強化に着手していく。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール