センバツ2023 準々決勝 大阪桐蔭、一つずつ 東海大菅生に快勝 /大阪
第95回センバツ大会第10日の29日、大阪桐蔭は第3試合の準々決勝で、昨秋の東京王者・東海大菅生を相手に、好機をうまくつなげて6―1で快勝した。生徒や保護者ら約1200人がアルプスに集まり、大歓声を上げた。準決勝は休養日を挟んで第11日の31日第2試合(午後1時半開始予定)で、昨秋の近畿大会準優勝の報徳学園(兵庫)と対戦する。【戸田紗友莉、山口一朗】 試合は三回に動いた。先頭の1番・小川大地(3年)が粘って四球。山田太成(同)の三塁前バントは内野安打となった。続く徳丸快晴(2年)が「三塁線沿いの送りバントで自分も生き残れるかも」と当てた打球は小飛球となったがポトリと落ちた。相手投手は見送ったもののファウルラインを割らず、またも内野安打となった。 つないだ無死満塁の好機で打席は4番・南川幸輝(3年)。外角の落ちる球を体勢を崩しながら右前に運び、先制2点適時打となり、「捕られるかと思った。いいコースに飛んだ」と笑顔を見せた。続く佐藤夢樹(同)の三塁線バントも捕手の野選を誘い、再び無死満塁。長沢元(同)は左犠飛、村本勇海(同)も右前適時打を放ち、この回計4点を挙げた。 四回に1点を返されるも、五回には佐藤のソロ本塁打、六回にも2安打でそれぞれ1点を加えた。 アルプス席には、11奪三振で完投した前田悠伍(同)が所属した硬式野球チーム「湖北ボーイズ」の選手たちが駆けつけていた。主将の清水煌友(こう)さん(14)は「前田先輩は九回でも力強い投球だった。精いっぱい腕を振って日本一になってほしい」と目を輝かせた。 ◇待ち望んだ一本 ○…チームもアルプス席も待ち望んだ一本が出た。五回、この日3打席目となる佐藤夢樹(3年)は3球目の直球をバックスクリーンに打ち込んだ。ダイヤモンドを走り、「あまり覚えていないが気持ち良かった」という高校入学後の公式戦初本塁打だった。今大会初安打でもあり、応援席の父和幸さん(55)も「やっと打ってくれた。意外と打球が伸びてくれてよかった」と笑顔を見せた。28日の能代松陽戦ではチームは2安打と振るわず、部員が夜課題を話し合った。その後、各選手は宿泊先の小さなスペースで素振りをし、佐藤も「自分の形を崩されてしまったことが多かったので間を置くように意識」して試合に臨んだ。「他の打席では冷静になれず出来は60点くらい。今日の一本で調子を上げていきたい」。次戦へ向け気合を入れ直した。