総額約112兆700億円…来年度予算案、まもなく閣議決定 “危機的”少子化対策は…
日テレNEWS NNN
政府は一般会計で総額およそ112兆700億円の来年度予算案をまもなく閣議決定します。中継です。 ◇ こちら、都内の診療所では次々と患者が訪れています。来年度の予算で焦点になっていたのが、医療従事者の「賃上げ」と「子育て政策」なんです。 岸田総理大臣は政権の目玉政策として子育て支援を掲げ、その財源として医療などの歳出改革を行うとしていました。一方医師会などは反対していて、実はこの「賃上げ」と「子育て政策」が綱引きの状態になっていたんです。 それでどうなったか、まず「賃上げ」から見ていきます。こちらは私たちの保険料にも影響する診療報酬の内訳です。 医療機関に支払われる診療報酬の内訳がこのように詳細に明らかになるのは初めてのことです。 まず、医師の報酬などに当たる「本体」部分は0.88%プラス、つまり増えました。大部分は、看護職員や薬局の勤務薬剤師などの「賃上げ」のために加算されたんです。 ――賃上げのため、なら良い使い道といえるのでは? はい、ただ、この0.28%は項目的には賃上げ以外にも使えることになっていて、本当に賃上げに使うかどうかは厳しく検証しないといけません。 そして、これによって待ったなしの課題である、少子化対策の方に不安がでてきたんです。 半年前、岸田総理はこう話していました。 岸田総理 「国民に実質的な追加負担を求めることなく、少子化対策を進めてまいります」 どういうことかというと、少子化対策を進めるために3兆6000億円必要なんですが、この一部を医療や介護の歳出改革で捻出しようともくろんでいました。医療や介護の費用を減らせば主に働き盛りの世代が負担する保険料を減らして余裕ができるからです。 ですが、医師会などの反対が強い中、医療介護全体での膨張を避けられませんでした。この結果国民の保険料負担も増えることになったんです。 これについて政府関係者は「春闘で国民全体の賃上げが行われれば保険料が額としては上がっても負担の率は増えない」と説明しています。 危機的状況の少子化対策のために大胆な医療改革が必須だったんですが、子育て世代の保険料が増える決着。改革の本気度に疑問が残る結果となりました。