韓国野党、尹氏捜査巡り首相弾劾を警告 与党は「人質」と反発
Hyonhee Shin [ソウル 23日 ロイター] - 韓国最大野党「共に民主党」は23日、尹錫悦大統領の戒厳令布告を巡り、特別検察官による捜査を開始するための法律を公布しない場合、職務停止中の尹氏に代わって大統領職を代行する韓悳洙首相を弾劾すると警告した。 24日までに法律が公布されなければ、韓氏に対する弾劾手続きを「直ちに開始する」と表明した。 共に民主党の朴賛大院内総務は党の会合で、「(公布の)遅れは韓氏に憲法を順守する意思がないことを示している。反乱分子の代理人として行動していることを認めているに等しい」と批判した。 朴氏はまた、尹氏が裁判所の書類の受け取りを繰り返し拒否し、憲法裁判所の裁判を妨害していると非難した。「捜査と弾劾裁判の遅延は暴動の延長であり、第2の暴動を企てる行為だ」と述べた。 警察庁の禹鍾壽(ウ・ジョンス)国家捜査本部長は23日、国会で証言し、警察は尹氏の事務所に2度捜査しようとしたが、大統領警護部が立ち入りを拒否したと明らかにした。 与党「国民の力」は、複数の捜査が進行中にもかかわらず、共に民主党が韓氏の政治運命を「人質」に特別検察官による捜査を強行する「弾劾政治」を行っていると批判した。 憲法裁判所の報道官は23日、尹氏側に送った裁判手続きに関する書面を大統領府が受け取りを拒否したが、「送付完了」とみなし、27日に予定する弁論準備手続きを進める方針を示した。 警察や高官犯罪捜査庁(高捜庁)などの捜査本部は尹氏に25日の出頭を要請したが尹氏が応じるかは不明。 尹氏の弁護団結成を支援する石東炫弁護士は23日、記者団に、準備する時間が必要で裁判を遅らせているわけでないと説明。弾劾に関する決定が下された後に捜査に応じると述べた。