HKT48で得た自信「行ける気がする」 小田彩加さん、アイドルからイラストの道へ
約7年間在籍したアイドルグループ「HKT48」を昨年8月に卒業した小田彩加さん(25)は、イラストを中心にクリエーターとして活動しています。幼いころから絵を描くことが大好きだった小田さん。「自分が楽しめる、やりたいことをやろう」。アイドル時代に培われた前向きなチャレンジ精神が背中を押しているといいます。 【画像】アイドルからクリエイターへ 小田彩加さんの軌跡と、イラストの数々
ペアのライブペイント 各都市で開催
2月初旬、東京・渋谷のギャラリーに、イラスト制作に取り組む小田さん(Xのアカウント@ODAchan_0209)の姿がありました。 イラストレーターのゼロゼロヒーローさん(23)=(ゼロちゃん、@ZERO_ZERO_HERO)と一緒に、アパレルブランド「over print」が開催するライブペイントのイベント初日。 ファンに見守られながら、ふたりでポスターカラーを握り、背丈以上の高さの紙に向かいます。 イベントは東京を皮切りに名古屋、大阪、福岡で行われました。 小田さんとゼロちゃんは昨年10月に東京、12月には台湾と何度もペアでライブペイントに臨んでいます。 この日も朝、一緒にテーマを考えました。「2人がそれぞれ描くキャラクターの数を同じにして、カラフルにぎゅうぎゅうにいっぱい埋め尽くそう」。そのような感じで描きはじめたそうです。 「作品で目指すものが可愛いとかポップとか、共通点があり、一緒だと楽しい」と小田さん。 ゼロちゃんは小田さんのことをこう話します。 「私が想像つかないようなアイデアをいっぱい考えてくれる。ホワホワしていていつもいやされるし、絵を描くのは集中力が必要で、頭を使うんですが、2人で話しながらだと全然頑張れます。いつも励まし合いながら頑張っています」
偶然のテレビ出演「アイドルになろうよ」
北九州市出身の小田さんは、幼いころから絵を描くことが好きでした。 中学生のころは毎日、学校から帰宅すると夕食時まで自室でずっとイラストを描いていたそうです。 将来はアイドルの衣装デザインに携わりたいと思っていました。 HKT48に入ったきっかけは2015年、地元で放送していた「HKT48のごぼてん!」(テレビ西日本)という番組でした。 メンバーが県内の高校を訪問するコーナーに、生徒だった小田さんが偶然出演したのです。 約半年後には同じ番組内で、指原莉乃さん(31)が学校を訪問。緊張からか、眼鏡をかけて登場するはずが忘れてしまった小田さんの様子に、指原さんは大ウケ。小田さんへ「アイドルになろうよ」と呼びかけました。 通っていた高校は「大学受験をするのが当然」という雰囲気で、自身がアイドルになるとは思っていなかったと振り返る小田さん。しかし高校2年生の冬、HKT48のオーディションに応募し、合格します。 「不安もあったんですが、それよりも自分が何をやりたいとか、自分が楽しめる方はどっち、みたいな感じで選択して今まで来ています」 それから約7年のアイドル活動。ほんわかした優しい雰囲気と人柄、「天然キャラ」とも言われた想定外の言動も人気を集め、昨年8月に卒業しました。 「思い出せないくらい密度が濃かったです。自分で言うのもあれですが、めっちゃよくやっとったなって思います」と在籍中を振り返ります。 「卒業して、客観的に見て、改めてアイドルってすごいって思います。今も音楽を聴きながら絵を描いたりするので、アイドルからめっちゃパワーとか元気をもらっているんです」 「半年前まで自分がアイドルとして、誰かに元気を届けられていたのかなって思ったら、すごい環境で、みんなができない職業をさせてもらったなっていうのが率直な感想です」