大病してからでは遅い! 森永卓郎が痛感したスムーズな資産整理に欠かせない2つの作業とは
身辺整理 死ぬまでにやること #3
ふだんあまり使用しない口座の通帳や届け印がいつも手元に揃っているという人は少ないのでないだろうか? 大病を患った後では、複数の預金口座の整理をするのも大変な作業になることは想像に難くない。ステージ4のがん告知を受けた経済アナリストの森永卓郎氏も煩悶したという。 【図】資産整理のために必要な作業とは? 書籍『身辺整理』より一部抜粋・再構成し、資産整理の大切なポイントを紹介する。
自分の資産をリストアップしておく
膨大な労力を費やした末に、次々と父の口座を把握していくことができ、全部で数千万円の預金があることがわかった。 ただ、なかには苦労してつきとめた通帳に700円しか入っていないということもあった。 銀行員に「この通帳、どうなさいますか」と尋ねられた私は、咄嗟に椅子から立ち上がり、「放棄します」と言って、銀行を立ち去った。 筆舌に尽くしがたいほどの苦労をもってしても、父が持っていたすべての口座がみつかったかどうかは藪の中だ。 父の死後、業者に依頼して行った遺品整理の荷物に通帳が紛れていた可能性も否めない。 銀行は10年以上、取引が行われていない口座を休眠口座とみなす。 その総額は850億円にのぼるという。 もちろん口座の持ち主や遺族からの請求があれば払い戻しに応じるが、現実的に払い戻されるのは350億円程度で、残りの500億円は政府に納付される。 知らぬが仏とはいえ、事実上、相続税で100パーセント持っていかれるのと同じことだ。 父の遺産整理では煮え湯を飲まされた。 ただ人生に無駄はないと今になってつくづく思う。 相続地獄の経験がなければ遺産整理を甘く見ていただろう。 私の死後、家族を同じ目に遭わせるわけにはいかないという想いも生まれなかったはずだ。 私は父の遺産整理が終わるや否や、自分の預金口座、証券口座リスト作りを開始した。 リストはパソコンのハードディスクに保存していたのだが、数年前に私のパソコンのハードディスクが突然死してしまうという事件も起きた。 妻のパソコンにバックアップしてあったので事なきを得たが、今にして思えば、リスト自体が使い物にならない代物だった。
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