綾野剛、X JAPAN「紅」を「情念で歌っていました」
映画「カラオケ行こ！」の初日舞台挨拶が1月12日、都内にて実施。俳優の綾野剛や齋藤潤、芳根京子、橋本じゅん、やべきょうすけ、チャンス大城、坂井真紀、北村一輝、山下敦弘監督が登壇し、公開初日を迎えた喜びや、撮影裏話などが語られた。 【写真】綾野剛、齋藤潤、芳根京子がクラッカーで公開初日を祝う ■齋藤潤の成長を綾野剛が称賛、ヤクザと中学生の噛み合わなさを表現 同映画は、1巻完結作品ながらも累計60万部を突破し、続々と重版されている和山やまによる同名の人気コミックが原作。歌がどうしてもうまくなりたいヤクザ・成田狂児(綾野剛)が、変声期に悩む合唱部の中学生・岡聡実(齋藤潤)に歌のレッスンを頼むところから始まったストーリーである。 公開初日を迎えた今の気持ちについて、綾野は「とにかくうれしいです。たおやかでとても優しいです。青春っていろんな形があると思うんですけど、楽しいだけじゃなくてやさしさが作品を包んでいて。岡聡実を演じた齋藤潤くんの成長がすごいですし、実寸大の彼の姿をこの作品に焼き付けようと、みんなが心から思って集結した現場だったというのが、この作品のカラーになっています」とコメント。齋藤は「僕自身、こういうチャレンジングな映画に、大きく出させていただくことが初めてでした。今日から作品が公開されるということに気持ちが追い付いてない部分もあります」と打ち明けた。 綾野との関係性の築き方について聞かれるも、齋藤は言葉を詰まらせてしまう。それをじーっと見つめていた綾野が「かわいいですね」とこぼすと、齋藤は爆笑。続けて、綾野は「彼はあらゆることから目を背けず、最後まで立ち向かったということにリスペクトしています」と称賛した。 また、綾野が「ヤクザと中学生が噛み合うはずがないんです。なので、噛み合ってはいけないというオーダーもあり、特に初めの30分、1時間くらいはずっとその状態です。すごく不安だったと思いますし、噛み合ってないので確かな手応えを感じずに帰ることもあったと思います」と齋藤の心情を察して話した。 齋藤は「本当に難しかったです。噛み合ってはいけないということを、1年前は理解できないくらい難易度が高かった。現場では二人でいる空間、セットだとかを慣れないように心掛けていました。カラオケのセットに入ってるときとかはすごく違和感がありましたし、そういうところに気づけてよかったです」と演じる難しさを説明した。 それを受け、綾野が「それこそ、ももちゃん先生(芳根)を試写で見たときに、噛み合わないってこういうことでいいんだって気づきました」と語り、芳根が「計算してなかったんですど、(自然と)噛み合わなかったんですよ」と回顧。綾野が「それが本当に素晴らしかったんですよ。すべてを愛で凌駕(りょうが)するっていう」と言うと、芳根は「ラッキー！」と笑顔でリアクションした。 撮影から1年経っての舞台挨拶ということで、齋藤の成長について聞かれると、芳根は「さっきも話してたんですけど、本当に背が伸びて声も低くなって。結構な高さのヒールを履いてるんですけど、抜かされてますよね。先月、完成披露でお会いしたときより大きくなった気がして。成長を感じます」と、齋藤と背比べをしながら話していた。 ■綾野剛、X JAPAN「紅」を「情念で歌っていました」 綾野演じる狂児の勝負曲はX JAPANの「紅」。歌う際に難しかったところを聞かれると、綾野は「ぼくは情念で歌っていましたから。むしろ、ほかの曲は『紅』より歌えてるという設定だったので、情念がともなわないので狂児としては難しかったです」と吐露。撮影現場で綾野の歌を聞いていた齋藤は「『紅』をリハーサルで初めて聞いたときは衝撃でした。裏声で歌うとこんな感じなんだと驚きました」とコメントした。 さらに、「ちゃんと『紅』を歌うときだけはジャケットを着るんです。正装しないと歌えない」と綾野が説明。監督から「それ必要かな？」と現場でツッコまれたそうだが、狂児の"正装"は、綾野のこだわりで貫き通したと口にした。 ◆取材・文＝後藤響平
