「今を全力で生きる」山田陽翔が球児に送るエール 18日センバツ開幕
プロ野球・西武にドラフト5位で入団した山田陽翔(はると)投手(18)。近江(滋賀)時代は甲子園で準優勝1回、4強が2回の輝かしい成績を残し、野球の本場・米国で開催されたU18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)では侍ジャパンU18代表の主将を務めた。 【投打に躍動する高校時代の山田陽翔】 18日に第95回記念選抜高校野球大会が開幕する。世代をリードし続けた右腕が、高校球児へエールを送った。【聞き手・大東祐紀】 ◇素直には喜べなかった ――2022年のセンバツは直前に京都国際が新型コロナウイルスの影響で出場辞退し、代替出場が決まった。 ◆(京都国際の無念さを考えると)素直には喜べなかったですね。でも、京都国際の思いや相手校のためにも、中途半端な気持ちではいけないと思いました。 ――準決勝までの4試合を完投し、滋賀勢初の春の決勝進出。準決勝は打席で左足に死球を受けながら投げ抜く死闘だった。 ◆(準決勝の)浦和学院戦は主将である以上、死球を受けても引き下がるわけにはいかない、と思って最後まで投げました。 ――翌日の大阪桐蔭との決勝も先発した。 ◆降板直前に松尾(汐恩捕手、DeNA)に打たれたホームランも120キロ台の直球。そりゃ打たれるなと思いました。体も限界に近く、ジェスチャーで降板の意思を伝えました。 ――投球数制限で決勝で投げられるのは116球。起用法を巡り賛否両論あった。 ◆才能があって、プロ野球に行けることが確定しているような選手は大事に育てられてもいいと思います。でも、自分はすべて平凡。甲子園でしか(プロ入りのための)アピールができないところもありましたし、今を大切にしようとも思っていました。今を全力で生きることができなければ、未来はないと思います。 ◇後悔は練習すれば解消される ――最後の夏、準々決勝の高松商(香川)戦ではスラッガー・浅野翔吾選手(巨人)との勝負が注目された。 ◆(打たれた本塁打は)甘く入った直球。見逃してくれなかったですね。(申告敬遠は)勝負したかったです。次は打ち取れる自信がありました。3本も打たれましたが(笑い)。 ――米国で22年9月に開催されたU18W杯では主将を務めた。 ◆かけがえのない経験。いつかまた日の丸を付けたいです。 ――甲子園とは。 ◆自分を成長させてくれた場所。試合ごとに課題が出て、それを修正しようと練習して。その繰り返しです。 ――最後に、高校球児へのエールを。 ◆負ければ後悔すると思います。その後悔を少なくするためには練習して、自信をつけて試合に臨むしかないです。今を頑張れば、未来は変わります。 ※インタビューは西武入団前の2022年秋に行いました。