FAで巨人入団の甲斐拓也 「田中将大とバッテリー」で復活アシストできるか
36歳のベテラン右腕
甲斐はリーグトップの盗塁阻止率を2度マークし、広島と対戦した18年の日本シリーズでは新記録となる6連続盗塁阻止している。「甲斐キャノン」と呼ばれる強肩の印象が強いが、一番の強みは投手やナインに与える安心感だろう。積極的にコミュニケーションを取り、投手の考えを理解して良さを引き出す。ソフトバンクに育成の同期入団で、直球とフォークのコンビネーションで抑え込む千賀滉大(現メッツ)、多彩な変化球を操り打者を翻弄する有原航平などさまざまなタイプの投手を好リードで引っ張ってきた。 巨人には戸郷翔征、山崎伊織、グリフィン、井上温大を筆頭に力のある投手がそろっている。特に興味深いのが、楽天を退団して巨人への入団が濃厚となっている田中将大とのバッテリーだ。今季は1試合登板のみに終わったが、日米197勝を挙げている右腕はコンデションを整えればまだまだ白星を積み重ねられる。 ヤクルトの嶋基宏ヘッドコーチは、楽天で現役時代に田中とバッテリーを組んでいた。自身が19年オフにヤクルト移籍後も田中のことを気に掛けていた。20年オフにメジャーから楽天に復帰する際、「今、コロナ禍でなかなかお客さんが入れなくなったりしている中、田中が帰ってきたことで、またみんなが野球を見たり球場に足を運んだりしてくれれば、日本を元気づけることにもなるのかな、と。僕の予想ですが、ケガなく普通にやれば結果は残すと思いますし、田中はそういうプレッシャーにも必ず打ち勝つ男です。リーグは違うのでテレビで見ることのほうが多いと思いますが、僕も楽しみにしています。いつか対戦したいし、ボールも受けたいですね」と語っていた。 月日を経て田中は巨人に入団し、甲斐が女房役を務める。どのような配球で、36歳のベテラン右腕を輝かせるか。腕の見せ所だ。 写真=BBM
週刊ベースボール