『ピアノ・レッスン』4Kデジタルリマスター版が2024年3月公開 予告編&ポスターも
ジェーン・カンピオン監督作『ピアノ・レッスン』の4Kデジタルリマスター版が、2024年3月22日に公開されることが決定した。 【写真】『パワー・オブ・ザ・ドック』(2021年)場面写真 第66回アカデミー賞で主演女優賞、助演女優賞、脚本賞を、第46回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞するなど数々の映画賞に輝いた『ピアノ・レッスン』。日本での公開から30年の時を経て4Kデジタルリマスターとして蘇る。 19世紀半ば。 エイダ(ホリー・ハンター)はニュージーランド入植者のスチュアート(サム・ニール)に嫁ぐため、娘フロラ(アンナ・パキン)と1台のピアノとともに スコットランドからやって来る。「6歳で話すことをやめた」彼女にとって自分の感情を表現できるピアノは大切なものだったが、スチュアートは重いピアノを浜辺に置き去りにし、白人でありながらマオリ族の入れ墨を顔に入れた男・ベインズ(ハーヴェイ・カイテル)の土地と交換してしまう。エイダに興味を抱いたベインズは、自分に演奏を教えるならピアノを返すと彼女に提案。仕方なく受け入れるエイダだったが、レッスンを重ねるうちに彼女も思わぬ感情を抱き始める。 監督を務めたのは、第46回カンヌ国際映画祭で女性監督初のパルムドールを受賞したカンピオン。カンピオンは、本作で第66回アカデミー賞脚本賞を受賞した後、2021年には『パワー・オブ・ザ・ドック』でアカデミー賞史上初となる“2度の監督賞にノミネートされた女性監督”となり、受賞を果たした。 エイダを演じたホリー・ハンターは、自らピアノ演奏をこなし、カンヌ国際映画祭女優賞、アカデミー賞主演女優賞を獲得。また、娘フロラを演じた当時11歳だったアンナ・パキンも映画初出演ながらアカデミー賞助演女優賞を獲得した。べインズを演じたのは『タクシードライバー』『レザボア・ドックス』『アイリッシュマン』などのハーヴェイ・カイテル。『ジュラシック・パーク』のサム・ニールがエイダの夫スチュアートを演じた。 音楽は、マイケル・ナイマンが担当。メインテーマ曲「楽しみを希う心」などの楽曲を手がけた。 公開されたポスタービジュアルには、浜辺に佇む一台のピアノと貴婦人とその娘が切り取られている。初公開当時のビジュアルと同じ場面写真が使用され、現代風にアレンジされた。 予告編では、ピアノソロ曲「楽しみを希う心」とともに、4Kデジタルリマスターで蘇った映像と、服部隆之、小川紗良ら各界の著名人によるコメントが映し出される。 ■コメント 服部隆之(作曲家) 主人公エイダの心情と全体的にモノトーンな世界観に寄り添うマイケル・ナイマンの音楽。 とりわけ映画そのものを雄弁に語るピアノによる主題曲は、四半世紀以上経った今も色褪せない。 小川紗良(文筆家・映像作家・俳優) 海辺にピアノがある。 たったそれだけのアイデアから始まった、あまりにもエキセントリックな試み。 常識や理性を超えて、心の奥が見てみたいと願わずにはいられない。 女性ならではの感性だなんて言わせない、荒々しい波のような名作。 中川晃教(シンガーソングライター) 1人の女性とピアノの競演=デュエット マイケル・ナイマンのThe Heart Asks Pleasure First (楽しみを希う心)の旋律から 眼前に1人の女性の住む“世界の最果て”が映る 彼女が奏でつづける沈黙という音楽 その深層より潮の満ち引きに争い渦巻いた情熱は 黒鍵を弾く指と鍵盤を決して離さない 一度見たらその音楽が耳から離れない
リアルサウンド編集部