ガンツ前国防相、戦時内閣離脱示唆-ネタニヤフ首相の行動次第で
(ブルームバーグ): イスラエル戦時内閣メンバーのガンツ前国防相は18日、ネタニヤフ首相が6月8日までに人質を取り戻し、イスラム組織ハマスによるパレスチナ自治区ガザ統治を終わらせる新たな計画を提示しなければ、政権を離脱すると述べた。
ハマスによる攻撃でイスラエルが大きな打撃を受け、ガザでの過酷な戦争に突入してから7カ月がたち、ネタニヤフ首相に対して既に圧力が高まっている。3人で構成する戦時内閣メンバーの1人であるガンツ氏が離脱すれば、首相への圧力はさらに強まりそうだ。ただ連立与党は議会(定数120)の64議席を占めており、それだけで政権が崩壊することはないとみられる。
ネタニヤフ首相は即座にこの要求を拒否。ガンツ氏が提示した条件が「イスラエルにとっての戦争終結と敗北、大半の人質の放棄、ハマスの無傷、パレスチナ国家樹立」を意味することは明らかだと声明で指摘した。
イスラエル首相、ハマス大隊は数週間で「壊滅」-本格侵攻準備か
イスラエル軍はガザ南部の都市ラファでハマスの戦闘部隊壊滅を目指しており、既に50万人のパレスチナ人が避難を余儀なくされている。ネタニヤフ首相は、こうした戦闘のさなかにガンツ氏が内閣解体を警告していることに憤りを示した。
ガンツ氏とガラント国防相がここ数週間、ネタニヤフ首相の戦争対応などを巡りや同首相とほとんど言葉を交わしていないことは周知の事実だ。
ガンツ氏はその後の声明で、「パレスチナ国家を樹立する意図はなく、サウジはそれを要求していない」とネタニヤフに反論した。
一方、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はサウジアラビアを訪問した後、19日にイスラエルを訪問する予定。イスラエルとサウジの関係を正常化するような取引の前進に向けて取り組んでいるが、ネタニヤフ首相が何度も拒否しているパレスチナ国家樹立に向けた道筋を求めるとみられる。
原題:Gantz Says He’ll Quit Unless Netanyahu Moves to New War Plan (1)(抜粋)