観光客へ感謝の舞 富山・八尾の駅前で見送りおわら
1~3日に富山市八尾地域中心部で開かれた伝統行事「おわら風の盆」から一夜明けた4日早朝、始発列車で帰る人たちに踊りを披露する恒例の「見送りおわら」が、同市八尾町福島のJR越中八尾駅前ふれあい広場で行われ、地元保存会の青年男女約20人が心を込めて舞った。 午前5時ごろから、深夜の踊りや演奏を楽しんだ人たちが駅や広場に集まった。踊り手たちは線路沿いに並び、同5時39分発の富山行き列車が出発すると、優美な舞を披露。車窓からは乗客が笑顔で見守り、見えなくなるまで手を振り合った。 見送りおわらは、県民謡越中八尾おわら保存会福島支部の青年男女が、もてなしの思いを込めて毎年自主的に披露している。例年始発に合わせてホームで実施してきたが、混雑に伴い乗客の安全確保や定刻発車に問題が生じるようになり、昨年から駅の外で行うようになった。 踊り手たちはこの日、午前3時ごろまで町流しをした後、広場に集まった。男子の総代、杉林祐希さん(25)は「お見送りする場所が変わっても、おわらに来てくださったことへの感謝の気持ちは変わらない」と話した。