大谷翔平、実は例年より「初球攻撃」は減っていた データで判明したイメージとのギャップ
そんなに慌てて打ちに行かなくても…。ドジャース大谷翔平投手が、チャンスで打席を迎えた際に初球を打ちに出て凡退し、ため息をついたファンも多いことだろう。ところがデータを見返してみると、今年は例年よりその初球攻撃が減っていた。むしろエンゼルス時代よりじっくり見てからスイングしており、イメージとのギャップが生じていた。 【映像】2ストライクからでも豪快弾!大谷、14号2ランのシーン いい球が来れば積極的に振りに出るのは大谷の持ち味の一つ。もちろんこれが好結果につながることもあれば、相手バッテリーにプレッシャーをかける意味でも、じっくりとボールを見定めるという策もある。一時、大谷の得点圏打率が1割を切るようなことがあったが、この時はロバーツ監督からのアドバイスもあり、少し打撃傾向が変わったと言われた。当の本人は「変えないことが大事」ともコメントしたが、実際のデータを見ると顕著に違いが現れた。 ファーストストライクスイング率(0ストライク時、ストライクゾーンに来た投球へのスイング率)を見ると、エンゼルス時代の過去3年は以下のとおりだ。 2021年 483球 281スイング 58.2% MLB平均49.0% 2022年 532球 348スイング 65.4% MLB平均48.6% 2023年 461球 280スイング 60.7% MLB平均48.2% 例年、ファーストストライクを6割前後狙いに行っており、これはMLB平均が50%を下回る中、かなり積極的に振っていることがわかる。ところがドジャース移籍1年目、シーズンの約3分の1を消化した現地6月2日時点では以下のとおりだ。 2024年 208球 108スイング 51.9% MLB平均48.3% まだわずかにMLB平均より振ってはいるものの、あと少しで50%を切るほどまで低下。慌てずにじっくり見ている。また今季、ここまで14本塁打を放っているが、0ストライク時からホームランを打ったのは6本。うち、走者を置いてのものは2本だけだ。 さらにカウント0-0、つまり純粋なる「初球攻撃」を見てみると、以下のようだ。 2021年 626球 235スイング 37.3% MLB平均29.9% 2022年 655球 274スイング 41.6% MLB平均30.5% 2023年 577球 230スイング 39.9% MLB平均30.7% 2024年 261球 95スイング 36.4% MLB平均31.1% 対戦する相手バッテリーも、昨年までの初球から振ってくるデータはあるだけに、まずは1球ストライクを、と簡単にゾーンに入れてくることはない。それを把握した大谷も、無理に狙っていないのはよくわかる。際どく狙ってカウントを悪くしたところ、やむをえずストライクを取りに来たところをガツン。今年の大谷には、こんなパターンがさらに増えてくるかもしれない。 (データ協力:データスタジアム)
ABEMA TIMES編集部