よくやりがちな「三文判の印鑑登録」だが…司法書士も見逃す、恐ろしいリスクをはらむ可能性
さすがの法務局、担当者の眼力はすごい
上記の事例は、いずれも認印で実印登録したことによるトラブルです。こうした事態にならないよう、フルネームの印鑑で実印登録をすることをお勧めします。 登記の専門家である司法書士や職員が気づけなかった実印の違いを、法務局の担当官が見破ったということは、やはり数をこなしているプロだからこそでしょう。 今回のケースは、いずれも時間的に余裕があったことから、押印し直して再提出で事なきを得ましたが、もしも売却の場面など、相手がいるところで、契約の当日に「実印が違う」「実印が見つからない」ということになれば大変です。 実印登録をし直せば済む話だとはいえ、当日の出来事となれば問題は深刻ですから、やはり、実印の管理には十分な注意が必要でしょう。 ※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。 曽根 惠子 株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士 ◆相続対策専門士とは?◆ 公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。 「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。
曽根 惠子