全日本バレー 高校選手権長崎県大会 西彼杵、努力の勝利 冬の本番へ仕上げを
バレーボールの第77回全日本高校選手権(春高)長崎県大会最終日は3日、大村市のシーハットおおむらで男女の決勝が行われ、男子は鎮西学院が3年ぶり2度目、女子は西彼杵が初優勝を飾った。両校は全国大会(来年1月5~12日・東京体育館)の出場権を獲得した。 男子決勝は鎮西学院が大村工に3-2で逆転勝ちした。第1、2セットともに22-25で落とし、第3セットもリードを許す展開だったが、OH山本らの得点で逆転。その後はOH園田、梶山を軸に加点して、第3セットを25-19、第4セットを28-26で奪い返した。第5セットは一進一退が続く中、最後は山本がスパイクを決めて21-19で競り勝った。 女子決勝は西彼杵が聖和女学院に3-0でストレート勝ちした。第1セットは終盤までペースを握られていたが、セッター平川のサービスエースやOH田中のスパイクで流れを引き戻して25-22で先取。第2セットはMB林の速攻、MB泉のブロックが随所で決まり、25-21で連取した。第3セットも勢いは止まらず、OH佐藤侑、OP佐藤佳が力を発揮して25-19で快勝した。 全国大会の組み合わせ抽選会は12月1日に実施される。 ◎地域に支えられて成長 圧倒的な強さを見せつけた。女子の西彼杵が6月の県高総体に続いて初優勝を飾った。「偶然の勝ちはない。普段から努力をしているからこそ、勝つことができた。甘い部分はあるが、まだ成長できる。これから最後の仕上げ」。井上監督は笑顔で選手をたたえると同時に、早くも冬の本番を見据えた。 昨年の純心女との決勝。2セット先取しながら逆転負けした。「この悔しさを忘れてはいけない」。新チームは雪辱を胸にスタートすると、夏のインターハイ、単独チームで臨んだ秋の国スポで8強入り。十分な成績を残してはきたが、誰も納得はできなかった。目標はあくまでも「日本一」。集大成の冬に向けて心身を磨いてきた。 迎えた聖和女学院との今季4度目の決勝対決。第1セット終盤、主将のセッター平川の連続サービスエースで勢いに乗ると、最後まで流れを渡さなかった。MB泉の速攻、MB林のブロック、OP佐藤佳、OH田中の強打-。最後はみんなでつないだボールをエースのOH佐藤侑が決めて試合を締めくくった。 この日、大崎高の野球部員を含めて、多くの西海市民がスタンドを埋めた。選手たちは感謝をプレーで表現したが、まだ足りないという思いを共有している。地域に支えられたチームが、冬までにどこまで地力を養えるか。佐藤佳が言った。「全国は経験を積む場所ではない。結果を残す場所。もう一度、練習から全力で取り組む」。恩返しは全国で勝ち続けることだ。