家には鍵がかかっていて帰れない放置子

山野しらす(@shirasu00mori)さんは、SNSやブログを中心に実話に基づく漫画をいくつも公開している。2024年6月まで投稿していた「私が放置子だった頃の話」は、知人の実体験を基に描かれており、ネットで話題になっている。今回は本作をお届けするとともに、2児の母でもある山野しらすさんに知人から体験談を聞いた当時の心境などについても伺った。 【漫画】本編を読む ※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。 放置子のしおりちゃんは、小学1年生の夏休みは毎日のように友達の家を訪ねていたという。特に仲の良かったあゆみちゃんの家にお邪魔することが多く、あゆみちゃんは快く遊んでくれたが、その兄はしおりちゃんをとても嫌がっていたようだ。 夕方になるとあゆみちゃんの母はしおりちゃんの家に電話をするが、誰も出ない。暫くしてしおりちゃんの母が迎えに来ると、あゆみちゃんの母は「うちは託児所じゃありません。毎日連絡もなしに朝から晩まで預けられても困ります」ときっぱり言う。 その言葉を聞いたしおりちゃんの母は、「あんたのせいでお母さん怒られたんだけど」としおりちゃんに話す。そして、「ゆみちゃんママ、働いてない人にはわからないかもしれないけど、私は正社員で責任のある立場なの」と言うではないか!? あゆみちゃんの母は唖然として、明日から出かけるので来ないでほしいと話す。しおりちゃんの母はかなりの変わり者でプライドも高く、しおりちゃんは心の中であゆみちゃんに謝る。 実は母の帰りが遅いのは仕事だけでなく、不倫相手と会っていることもある。しおりちゃんが放置子になったのは母の不倫も原因の一つだが、当時はこれが当たり前ったので、しおりちゃんは特に何も感じていなかったという。 母は家事もろくにせず父との喧嘩も日常茶飯事。放置子のしおりちゃんは、次々と壮絶な体験をすることになるのであった。 ――知人から初めてこのような体験談を聞いたとき、当時の気持ちについてお聞かせください。 よくこんなつらい環境を乗り越えて、ひねくれずに立派に育ってくれたと、心から尊敬の念を抱きました。 ――毒親に悩んでいる読者の方にメッセージをお願いします。 家庭の居心地が悪いというのは、本当につらいことですよね。人にもなかなか話しにくいと思います。でもどうか自分の未来をあきらめないでほしいです！毒親から逃れて「自分の人生」を生きることができますように。心から応援しています。 本作は放置子の視点からストーリーが展開していき、母の不倫など大人の事情で放置子になってしまった娘のリアルな現状を描いている。興味や関心がある方は、この機会にぜひ読んでほしい！ 取材協力：山野しらす(@shirasu00mori)