やるべき仕事をやるには1日を2時間単位で区切ろう(滝川徹 時短コンサルタント)
『細分化して片付ける30分仕事術 (滝川徹 著)』
仕事をはじめる前に仕事の計画を立てたほうがよい。そう頭ではわかっていても、具体的にどうやって計画を作っていいかわからない。だから計画を作れない。そう悩む人も多いのではないだろうか。 仕事の計画は2時間単位で区切って考えるとうまくいく。そう語るのは時短コンサルタントの滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『細分化して片付ける30分仕事術 』より仕事の計画の作り方について、再構成してお届けします。 タスク管理をはじめる前の私は、いつも仕事に流されていた。メールを受信すれば、すぐさま用件をチェックし返信した。取引先から電話がかかってくれば応対し、依頼された仕事にすぐとりかかった。上司や部下から仕事を頼まれても同様だ。 そうして降ってくる仕事に場当たり的に反応して仕事をしていたので、本来自分が取り組まなければいけない仕事にいつまで経っても手をつけることができなかった。 朝の時点で「今日はこの仕事に取り組もう」と思って手をつける。しかし降ってくる仕事に手を止め、気づけば取り組もうと思っていた作業は追いやられたまま、1日がほぼ終わってしまう。 そうして締め切りギリギリになった仕事を、ケツに火がついた状態で残業しながら必死に片付ける。これがいつものパターンになってしまっていた。こんな経験は誰にでもあることだろう。だからこそこの本をはじめ時間管理の書籍が多数出版されてきたのだ。 ではどうすれば降ってくる仕事に流されず、主体的に仕事をこなしていけるようになるのか。この問いへの答えの鍵は「予定(スケジュール)しておくこと」にある。予定されたスケジュールは実行される可能性が高いからだ。 たとえば今日の15時から会社で重要な会議があるとする。君は余程のことがない限り、会議に時間通り出席するはずだ。たとえ14時50分に取引先から電話がかかってきても「これから予定があるので後でかけ直します」と伝えるだろう。 あるいはそもそも電話がかかってこないように14時30分くらいからスマホを機内モードにしているかもしれない。そう、人は予定しているとその予定を中心に行動するようになる。逆に言えば、予定していないことは実行されないのだ。 ライフスタイルデザインで知られるアメリカのベストセラー作家ティモシー・フェリスも、2020年に配信したYouTube動画でこのことを話している。 彼は「どうすれば君(ティム)のように、たくさんの仕事をこなしながら創作活動や自分自身をふりかえる内省の時間までバランスよくこなせるようになる?」という趣旨の質問に対し「バランスは見つからない。なぜなら自らスケジュールしなければならないからだ」と語った。 例として彼は、仕事を効率的にこなすために1週間のうち月曜日の予定をブロック(あらかじめ確保する)して、動画を録画、従業員と電話で通話、事務処理といった作業に充てていると話した。またブログを書く日は午前中あるいは昼食前に、あらかじめ執筆する時間を予定・確保すると言う。 彼は「カレンダーに予定しなければ実行されない。物事もうまく進まなくなるし、重要なことに手をつけられなくなる。そして僕はそのツケを払わされることになる」と語る。カレンダーに予定することがバランスよくやりたいことを行うための「(自身にとっての)唯一の手段」と説いた。 取り組みたいと思う仕事を確実に実行する秘訣。それは彼が言うように予定しておくこと。すなわち、あらかじめスケジュールしておくことなのだ。 派生する仕事に流されず、主体的に業務をこなすために必要なのはスケジュールすること。このことがわかったら、次に問題になるのは「どうやって仕事のスケジュールを立てるか」だ。