ソフトバンク、変身した杉山一樹は開幕1軍当確か 当落線上選手の奮闘に注目
◆オープン戦・ソフトバンク1―4西武(15日、ペイペイドーム) 【コラム好球筆打】 注目は「1軍当落線上」にいる選手の奮闘ぶりか。ソフトバンク小久保監督が「本番モードで戦う」と公言するのは19日の阪神戦(ペイペイドーム)からだ。これは開幕前最後の1週間に予定される5試合(対阪神2試合、同広島3試合)を指すのだが、開幕後を想定した選手構成で戦うという意思表示でもある。 ■15日西武戦のスタメン【表】 そんなわけで、開幕1軍スタートを目指す選手にとっては今回の西武3連戦が最後のアピールの場となるわけだが、この日の先発ラインアップで見れば6番右翼の正木以降がその対象だった。8番二塁で先発出場した三森に限っては開幕1軍スタートは決定的だが、牧原大との定位置争いという観点からいくと「当落線上選手」の一人であることには違いないのだろう。 だからこそ、三森にとっては5回に相手先発今井の直球を完璧に捉え、右前打とした一打は貴重なアピールとなった。中前打で続いた9番捕手の海野もバットで存在を示すことに成功したが、誰より結果を求められた正木、7番三塁で先発出場した井上はともに4打数無安打、2三振と苦い結果に終わってしまった。 ただ、アピール機会はまだ残されている。小久保監督も正木に関しては「(これまで)打席数があまりなかったので判断しかねていた。明日もフルに使うというところ」と2戦連続の先発起用を明言しており、死に物狂いで臨む重要な試合となることだろう。 投手陣に目を移せば、志願して中継ぎでの勝負を選択した杉山のアピールが素晴らしい。この日は3点ビハインドの9回に登板して先頭の古市に右前打を許したものの、その後は落ち着いた投球で打者3人を14球で料理。14日の巨人戦からの連投テストでもあったが、しっかり無失点で切り抜けてみせた。 これで今オープン戦は3試合、計5イニングを投げて無失点と抜群の安定感だ。しかも、ここまで四死球はゼロで過去5年とは見違えるほどの変貌ぶりで、首脳陣の評価も日に日に増している。実際、この日の試合後も津森の投球内容を振り返っていた小久保監督が「杉山は連投テストで先頭は(安打で)出したけど、中継ぎの中では一番のアピールをしている投手ですね」と自ら名前を挙げて評価するほどだった。こちらは開幕1軍当確といったところだろうか。(石田泰隆)
西日本新聞社