熊本市の水道100周年で記念式典 大西市長「豊かな地下水を次世代に」
11月27日で水道事業100周年を迎える熊本市は10日、熊本城ホール(中央区)で記念式典を開いた。水道事業者など関係者約420人が出席し、大西一史市長は「豊かな地下水を次の世代に継承し、激甚化する自然災害に対しても住民が安心して暮らせる地域づくりを進めていく」と決意を述べた。 市の水道事業は1924(大正13)年、八景水谷を水源地、立田山を配水池として新屋敷や坪井などで始まった。現在は37カ所の水源地にある99本の井戸から1日平均22万トンの地下水をくみ上げ、約32万5千世帯に供給。市上下水道局によると、人口50万人以上の都市で水源を地下水で賄っているのは熊本市だけという。 2016年の熊本地震では、市内全域の約32万6千戸で断水。この経験を踏まえ、水道局は地震に強い基幹管路の更新を進めており、23年度の耐震適合率は80・7%に達した。大西市長は「いざ災害が起きても早く復旧できるよう、基幹管路を強くすることが重要」との認識を示した。
式典では水道局の新たな公式キャラクターとシンボルマークを発表したほか、熊本県内の四つのスポーツチームのエンブレムなどをあしらった下水道用マンホールのふたも展示。花畑広場では、水をテーマにしたワークショップなども開かれた。(上村彩綾)