長野県松本市中心街を歩きやすく 再設計会議の見取り図案 将来像実現どう道筋
長野県松本市の松本駅周辺から松本城周辺までの「中核エリア」の将来像を検討する「中心市街地再設計検討会議」が先月に示した見取り図案は、人が歩きやすい「ウオーカブル」なまちづくりを実現するため、軸となる道を設定する方向性を示す。中心市街地への車の乗り入れを抑制する必要があるが、現状は多くの車が走り、休日を中心に交通渋滞が頻発している。市はウオーカブルなまちをどう具現化するか、本気度が試される。 城下町の歴史がある松本城周辺は、もともと人が歩くことを前提に設計された道であることを再認識し、車の総量を抑制することが明記された。松本駅お城口広場から松本城に至る公園通り、大名町通り、松本城を囲む通り、中町通り、縄手通りを、歩行者空間の骨格を形成する軸と定めた。井戸や湧水、河川といった景観を楽しむ「歩きたくなる空間」を目指す。 一方、中核エリアへの車の流入を抑制する策として、松本駅アルプス口にパークアンドライドや自家用車専用の駐車場の整備を盛り込んだ。主要な交通を処理する幹線道路網を構築し、外堀大通りの東側に続く先線の対面交通化なども掲げる。 臥雲義尚市長は市議会12月定例会の提案説明で見取り図案に触れ、「歩いて楽しめるウオーカブルな町という点に関しては、検討会議をはじめ市民が望む方向性であると捉えている」と述べた上で、実現に向けて「行政としての本気度が問われると考えている」との認識を示した。 検討会議は来年2月の第4回会合を経て指針・見取り図をまとめ、年度内に臥雲市長に提言する。市は実現可能性が高い提言を精査し、来年度に交通規制といった実証実験に取り掛かる予定で、市総合戦略室の藤井昌浩次長は「短期的、長期的な観点で実現できるものを判断し、実証実験につなげたい」と話している。
市民タイムス