ゴミ山・水没進むエリアも…ジャカルタは“限界” 「人類史上最大」首都移転 日本企業にも期待
日テレNEWS NNN
インドネシアで「人類史上最大」とも言われる首都移転のプロジェクトが進んでいます。人口過密で都市機能がパンク寸前の首都では、水没が進むエリアもあり、14日に行われる大統領選挙の争点にもなっています。 【画像】“ゴミの墓場”スラムの現実をアート作品に「目標は100億円」長坂真護さんの思い
インドネシアの首都、ジャカルタ郊外にある町。ゴミが15階建てのビルの高さまで積み上がっていました。人口1000万人を超えるジャカルタのゴミが運ばれてくる東南アジア最大級のゴミ捨て場です。 足の踏み場もないくらい散らばるゴミ。生活している人もいます。 収容の限界であふれそうになっていますが、ジャカルタに空きがなく、毎日大量にゴミが届きます。 いま、首都ジャカルタは過密すぎる人口でパンク寸前と言われています。
地区によっては水没の危機も。海面からイスラム教のモスクの一部が見えていました。地盤沈下が原因です。
沈下はすでに4年前に始まっていました。それが、あっという間に水の下に…。 地盤沈下の原因も人々の生活です。 住民 「お金がない時は料理にも使っているよ」 勝手に地下水をくみ上げたため地下に空洞ができ、年間10センチのペースで地面が沈んでいます。 そこで始まったのが首都の移転計画です。 ジャカルタから約1200キロ離れたカリマンタン島の森林地帯に新たな首都「ヌサンタラ」を建設するという壮大な計画です。私たちは、特別な許可を得てその建設現場に向かいました。
道を進むと、次第に増える工事用の大型トラック。至る所で土地の造成が進んでいました。 森林を切り開き、広大な街を建設する「人類史上最大の首都移転プロジェクト」とも言われる大工事。今年8月から順次移転が始まる予定で、急ピッチで工事が進められています。 そして、VIP専用のキャンプ場もつくられていました。木の良いにおいがするグランピング施設。ジョコ大統領も泊まったということです。しかし、豊かな自然の裏返しか、多くの蚊がいました。 プロジェクトの総工費は約4兆5000億円。インドネシア政府はその8割を民間からの投資でまかなうとして世界から投資を募り、日本にも期待を寄せています。 インドネシア新首都庁 バンバン長官 「日本は技術と知識を持っています。最新の技術で環境にも優しくスマートな未来を描けます」 広大な開発予定地のうち、工事が進められているのはまだほんの一部。工事は夜も続けられます。 首都移転は14日、行われる大統領選の争点の一つ。移転推進派のプラボウォ国防相が、反対派のアニス前ジャカルタ州知事をリードしています。 中国との結びつきを強めインフラ整備をおし進めたジョコ大統領の後を誰が担うのか。国際情勢にも大きな影響を及ぼしそうです。