AIイラストの「絵柄が似ている」はアウト?利用段階における「画像生成AIと著作権」【弁護士が解説】
線引きが難しいからこそ、「要注意な使い方」を押さえよう
ここまで見てきたように、AIを使って生成したイラストが、単に他の画像と「絵柄が似ている」ということだけでは、著作権侵害にはならないことになります。また、単に他の画像と「絵柄が似ている」というレベルを超えて、「類似」している場合には、著作権侵害となる可能性がありますが、「依拠」したといえるかは検討が必要です。 もっとも、画像を生成するためのAIへの指示に他人の著作物を使用してしまうと、その指示行為自体が著作権侵害となるおそれがあるほか、生成された画像がその著作物と「類似」している場合に、「依拠」もしていると考えられますので、著作権侵害となる危険性が高まります。このような使い方は避けていただくことがよいと考えられるでしょう。 五十嵐 良平 日本橋川法律事務所 弁護士、第一東京弁護士会所属 1992年生まれ。2017年に弁護士登録後、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、山下総合法律事務所を経て独立し、2021年に日本橋川法律事務所を設立。顧客の事業に伴走するような形をとりながら、主にIT系のベンチャー企業・スタートアップ企業を中心に、Exit支援やそれに向けた法務サービスを提供し、コーポレートや契約法務、広告規制、知的財産権に関する案件を多数取り扱っている。
五十嵐 良平
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