一力遼棋聖が四冠達成、史上4人目の「名人」と同時保持…芝野虎丸名人に4勝2敗で初奪取
囲碁の第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)第6局が30、31日、千葉県木更津市で行われ、挑戦者の一力遼棋聖(27)が芝野虎丸名人(24)に236手までで白番6目半勝ちし、シリーズ4勝2敗で名人を初めて奪取した。序列上位タイトルの「棋聖」と「名人」を同時に保持するのは、趙治勲名誉名人(68)、小林光一名誉棋聖(72)、井山裕太王座(35)に次いで、史上4人目となる。 【写真】師匠の宋光復九段と握手を交わす一力遼棋聖
七大タイトルで、一力棋聖は、天元、本因坊と併せて、自身初の四冠となった。芝野名人は2年ぶりに無冠となった。
第6局は難解な戦いから一力棋聖が抜け出して優位を築き、積極的な打ち回しで勝ちきった。
一力棋聖は終局後、「自分なりに精いっぱいやって結果が出て、うれしい。(棋聖・名人の同時保持達成者は)3人とも日本の囲碁界で圧倒的な成績を残されてきた。肩を並べられて光栄に思う」と話した。芝野名人は「ミスが多くなってしまった。結果に関しては仕方ない」と語った。
現在、七番勝負によるタイトル戦は棋聖と名人だけで、一力棋聖は4連覇をかけて、井山王座を相手に、来年1月から棋聖戦七番勝負に臨む。