ステランティス、CFOを交代-事業立て直しへ経営陣刷新
(ブルームバーグ): 欧米系自動車大手ステランティスは大規模な経営陣刷新の一環として財務最高責任者(CFO)を交代すると発表した。同社はトップの刷新により投資家の信頼を取り戻し、悪化する事業を立て直そうとしている。
ステランティスは10日の発表資料で、ナタリー・ナイトCFOが退社し、後任にダグ・オスターマン氏が就くと明らかにした。 ナイト氏は先月、同社の通期営業利益率目標を「野心的」と指摘。その1週間後に同社が同利益率見通しを引き下げたことから、ナイト氏は最近批判を受けていた。
またナイト氏は4月30日のアナリストとの電話会合で、ステランティスの予想に最初に警告を発した経営陣の一人だった。それ以前にすでに株価は低下傾向にあったが、それをきっかけに下落が加速した。
拡大欧州地域担当最高執行責任者(COO)を務めていたウーベ・ホッホゲシュルツ氏も退社する。また北米事業の責任者やマセラティとアルファロメオのトップも入れ替える。今週、米国で2日間にわたって開催された取締役会後に発表された。
ステランティスは自動車市場の伸び鈍化と競争激化に加え、新モデル投入の遅れなどの社内問題に苦しんでおり、カルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は強い圧力に直面している。投資家や販売会社、労働組合は販売減少や米国向けラインアップの老朽化、在庫拡大を指摘してタバレス氏を非難している。
10日の米株式市場時間外取引でステラティスは一時、1%弱上昇した。今年に入って10日の通常取引終了まで株価は43%下落している。
また同社は、2026年初めに任期満了となるタバレス氏の後継者探しの正式プロセスが進行中とのブルームバーグの報道を確認した。ジョン・エルカン会長がこの取り組みを監督する特別委員会を率い、来年後半に後継者を決定する見込み。
原題:Stellantis Ousts CFO in Effort to Stabilize Reeling Business (2)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Albertina Torsoli