「スコアだけ見る短期的な指標」だけでなく… 石川遼が向き合う「長期的な指標」とは
初日を3バーディー、1ボギーの「70」でプレー
◆米国男子プロゴルフ ZOZOチャンピオンシップ 10月24~27日 アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉県) 7079ヤード・パー70 【動画】シャウフェレの悲劇… 2度の空振りを招いた「木の根元のボール」からのプレー これが実際の動画です
初日を首位と5打差の22位タイで終えた石川遼は「長期的な指標」と向き合ってじっくりとゴルフに取り組んでいる。
米ツアーを主戦場にした経験もある石川が、日本で唯一の同ツアーである今大会に出場するのは2年連続4回目。昨年大会では日本勢最高の4位に入り、米ツアーでは7年ぶりのトップ10入りを果たしている。 この日のフロントナインは我慢を強いられた。1番からスタートし9番までひたすらパーを並べる展開。「ミドルパットが決められなくて。1アンダーで折り返せたらよかったのに、という流れ」で9番を終えるが動じることはない。 10番で2.5メートルを沈めてこの日初めてのバーディーを奪うと、615ヤードのパー5、14番の3打目を2メートルにつけて2つ目のバーディーを奪い、続く15番でも9メートルを沈めて3アンダーとした。17番では2打目をバンカーに入れてボギーを叩いたが、最終18番では4メートルを沈めてパーセーブ。首位と5打差にとどまった。 「雰囲気は最高。選手、コースはすばらしい。ということは難しいということ。どんな日でも、このコンディションで、アンダーでプレーできたら耐えたな、と。どんな形でも、このスコアで4日間プレー続けられたら」と前向きな言葉を並べる。
2007年に高校1年生でツアー優勝を飾り、翌2008年1月にプロ転向。以来、試行錯誤を繰り返してきた。その中で「スコアだけ見る短期的な指標と、長期的な指標の両方で考えるようにしている」と多角的に自分を見るようになった。そこから導き出されたのが、18ホールではなく、72ホールで結果をとらえるということだ。 一般的な男子ツアーの試合は4日間、72ホール。当たり前の話だが、1日だけ、スコアがよくても、他の日が悪ければ勝つことはできない。その逆もしかり。経験からそれを、身をもって知ったからこそ、目先の結果に振り回されない今がある。 「20代の頃は、日によって違うことをしてみたり、引き出しをたくさん増やしたり、そこから取り出したり、外から色々吸収したりしてきました。でも、今はコツコツと自分と向き合うようになってきています」。この言葉も、33歳にしてプロ17年目という経験から出たものだ。 自分のコンディションも、天候を含めたコースのコンディションも毎日違う。そのどちらにも、落ち着いて向き合い、対応することができれば“勢い”だけでない結果に手が届く。そのことを身をもって知る石川の、残り3日間の戦いが楽しみだ。
ゴルフのニュース編集部