【上原浩治】日本ハム細野、球威は「さすがドラ1」もクイックや左打者への投球など課題山積み
<日本ハム6-9ロッテ>◇3日◇エスコンフィールド 後半の巻き返しの期待を背負い、日本ハムはドラフト1位ルーキーの細野が先発した。プロ入りデビュー戦となった阪神戦では、勝ち星こそつかなかったが5回途中まで投げて3失点。今後、細野がローテーションで回れるような実力を見せられれば、チームにとって大きな反撃の材料になると思って注目していた。 初回、先頭打者・岡への初球は、いきなり150キロの真っすぐをマーク。球威は「さすがドラ1」と感じさせた。そして初回は3者凡退でスタート。素晴らしい素質を感じさせた。 しかし投球フォームを細かく見ると、上半身が突っ込み気味でリリースポイントが安定していなかった。いい球と悪い球がはっきりするタイプ。2回は1死から角中と中村奨に連続四球。右打者への真っすぐが外角高めに抜ける傾向があり、左打者には真っすぐが投げにくくなっていたと思う。左の佐藤への初球はスライダーでストライクを取ったが、2球目のスライダーを狙われ、3ランを浴びた。 指にかかったときの真っすぐはいいものを持っているが、走者を出してからのクイックを苦手にしているように見える。現時点では走者を出しても気にしないようにして、しっかり軸足に力をためて投げないと、制球が定まらなくなる。先発投手として長いイニングを投げるためには、まだまだ課題は山積みしているように思えた。 5イニングを投げて93球、3失点。フォームも安定していないし、クイックや左打者への投球にも課題はある。それでも3ランだけの失点で抑えられたのは、力のある真っすぐを持っているから。現時点でも「走者を出してもホームにかえさなければいい」と割り切って投げやすいリリーフでの登板なら1軍の戦力になれる可能性はあると思う。 一方、細野と同じようにプロ入り初勝利をかけて先発したロッテの田中晴は、5回5失点ながら初勝利をマーク。高卒2年目であり、角度のある真っすぐがいい。今後、フォークの精度を上げていけば、楽しみなピッチャー。ロッテも日本ハムも若手を育て、ソフトバンクに食らい付いてペナントを盛り上げてほしい。(日刊スポーツ評論家)