報徳学園 延長逆転サヨナラ勝ち 地方大会も甲子園もタイブレーク無敗
「選抜高校野球・1回戦、報徳学園3-2愛工大名電」(22日、甲子園球場) 1回戦3試合が行われ、前回大会準優勝の報徳学園(兵庫)は延長十回タイブレークの末、3-2で愛工大名電(愛知)にサヨナラ勝ちした。 劣勢を劣勢と感じない。九回を同点で終え、大角健二監督(43)の声がベンチに響く。「オレは負けへんぞ。信じてくれ」。地方大会も、甲子園でもタイブレーク無敗の将の言葉に、ナインは大いに盛り上がり、十回の守りに散っていく。 失点を1に抑えた。上々だ。その裏。無死一、二塁からのバント処理を相手が誤り、満塁。そして、押し出し四球で同点。打席には4番・斎藤佑征内野手(3年)。初球「狙ってました」という直球を、中前にはじき返した。逆転サヨナラ勝ちで、報徳学園の、昨年の準Vを超える戦いは「最高のスタートになりました」(大角監督)。 ヒーローの斎藤は「生活面でも、練習態度も学業でもトップクラスで模範になる生徒」(同)という。「そういう子だから、大舞台でもやれると信用していましたね」と話したとおり、自身の活躍以上に「みんなの喜ぶ顔が見られてうれしかった」という、仲間を思いやれる気持ちが呼んだ殊勲打でもあった。 七回には「流れを変えたかった」と先発・今朝丸に代打を送って1点をもぎ取る勝負手も見事にはまった大角監督。その監督の「想定を上回りました」という再三の好守も飛び出した。 雰囲気は、抜群だ。さらに期待の1番・福留希空内野手(3年)がこの日は無安打。ここに火がつけば頂点は、一気に現実味を帯びる。