発達障害グレーの私がやらかした“仕事上のありえない失態”。電車に飛び込もうかと…<漫画>
『ただのぽんこつ母さんだと思っていたらADHDグレーでした。』(はちみつコミックエッセイ)では、著者のはなゆいさんが長年うっかりミスの多さに悩み、心療内科を受診してADHDグレーであると診断される体験が描かれます。 【マンガ】『ただのぽんこつ母さんだと思っていたらADHDグレーでした。』を読む ADHDとはどんな特性があるのか、また困りごとに対する有効な対策の仕方を探しながら自分自身と向き合っていきます。 今回は本書から4話を紹介。著書のはなゆいさんに、人生でもっともつらかった失敗談や、人間関係で気をつけているポイントなどについて聞きました。
自分に絶望した、仕事での大失敗
――本書では、ADHD特有の「うっかりミス」をして笑われたり怒られてしまった経験が描かれていました。はなゆいさんにとって特につらかったのはどんなことでしたか? はなゆい:仕事上すごく大事な集まりが遠方であったとき、私が過去に仕事で遅刻をしたことを知る上司に「絶対遅刻するな」と散々言われたんです。私も「絶対に遅刻しないぞ」と気合いを入れて、2時間で着くところを4時間前に家を出ました。 「これだけ余裕があれば絶対大丈夫」と油断してしまったのが失敗でした。途中の駅でお茶をしたのですが、そこから逆方面の快速特急に乗ってしまい……。しばらく気づかず、とんでもなく遠い場所まで行ってしまいました。 気づいてから急いで目的地に向かったのですが結局遅刻。4時間前に出た、電車を間違ったと伝えたのですが、信じてもらえず、「そんなにやる気がないならもう二度と来なくていい」と言われました。自分でも自分が嫌になって、もうどうにでもなれと「電車に飛び込もうか」と思ったことさえありました。 ――4話では医師がはなゆいさんの特性を車にたとえ、苦手なことや比較的得意なことを説明する場面がありました。そこで医師は「このぽんこつ車を乗りこなすしかないんですか!?」と嘆くはなゆいさんにさまざまな対策を伝授してくれていました。現在は失敗することを想定して「ぽんこつを予め計画に組み込んでおく」対策をされているそうですが、具体的にはどんなことをしているのでしょうか。 はなゆい:スケジュールに空き日を作っています。空けておいても、絶対に何かで埋まるので余裕を持った予定を組むようにしています。 あとは、自分としては悲しいのですが、「お金で解決できることだったり人に迷惑をかけていない失敗は自分を責めない」と決めています。 例えば、駐車料金で他人の分を払ったとか、返品不可なのに間違ったサイズのものを注文したとか。予約の時間を間違えるなど、人様に迷惑をかけてしまったときは全力で謝って、できるならお菓子などのお詫び品を贈ったりしています。できるだけ自分を責めずに、次回に生かすために失敗したときの状況などをメモしておくようにしています。