新型コロナ「爆発的拡大すれば2週間で感染者30倍」「最悪の事態も想定」 首相、国民に警戒呼びかけ
安倍晋三首相は28日、記者会見し、世界中で感染が拡大している新型コロナウイルスについて「ひとたび爆発的な感染拡大が発生すると、欧米の例から試算するとわずか2週間で感染者がいまの30倍に跳ね上がる。そうすると感染のスピードを抑えて、ピークを後ろ倒しするとの我々の戦略が一気に崩れる」とし、「最悪の事態も想定しながら感染拡大の防止に全力を尽くす」と述べた。 【中継録画】安倍首相が記者会見 新型コロナ対応や追加の経済対策を説明
「対岸の火事」ではない
安倍首相は冒頭、全世界で感染者が50万人を超えたと指摘。「直近ではわずか2日で10万人増加しており。まさに爆発的なペースで拡大している。いくつかの国々では連日数百人規模で死者数が増えており、増加する重傷者に十分な医療を提供できていない、まさに医療崩壊とも呼ぶべき事態が起きている。これは決して対岸の火事ではない」と強調した。 さらに「日本でも短期間のうちに同じ状況になっているかもしれない。それくらいの危機感を持って、最大限の警戒を改めて国民のみなさんにお願いする」とした。
「都市封鎖」回避に協力を
安倍首相は会見で、「この1か月で、いわばコロナ疲れ、自粛疲れとも呼ぶべきストレスを感じている方も多いかも知れない」と自粛下にある国民の気持ちを察した。一方で、「オーバーシュートが発生した欧米各国では都市を封鎖したり、強制的な外出禁止、生活必需品以外の店舗封鎖など強硬な措置を講じざるを得なくなっている。現在、大変ご不便をお掛けをしているが、それはいっそう厳しいこのような強硬措置を回避するためのものであることをご理解いただきたい」と述べ理解を求めた。 「日本は欧米とは異なって、現状ではまだぎりぎり持ちこたえている。しかし、少しでも気を緩めればいつ急拡大してもおかしくない。幸いオーバーシュートを回避できたとしても、それはまさに水際の状態がある程度の長期にわたって続くことを意味する。この戦いは長期戦を覚悟していただく必要がある」とも訴えた。 現在の状況は「緊急事態宣言」を出す状況に近づいているか、との質問にも「今の段階においては緊急事態宣言(に当たる状況)ではないが、ぎりぎり持ちこたえている、瀬戸際の状況が続いているという認識」と危機感をあらわにした。