『今日好き。九龍編』3話ーーガッツポーズも束の間に初の失恋……いい人は報われない?
11月20日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。九龍編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。 【写真】早くも初の失恋が起きた2組のグループデート 以下より、12月4日公開の3話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。 ・るしあ、グループ行動で洞察力を発揮 ライバルのそらと同じ“離島組”を選んだ理由は? “まだ2日目なのに……”なんて憂いが浮かんでしまうくらい、今シーズンもいい意味で“問題作”になりそうな『九龍編』(読み:カオルーン)。初日こそ、第一印象の段階で相思相愛な面々も多く見られたはずなのに、恋の矢印も気づけばもつれにもつれ……。事前のお約束通り、“全員号泣。”な展開を避けられない予感が、暗雲のように徐々に立ち込めてきた。次週4話の予告映像では「もうめちゃくちゃだよ」というコメントも飛び出していたが、その前哨戦となる今週の3話では、一体どんな内容がオンエアされたのか。 場面は、2日目朝。大方の予想通り、この日の午後は2組に分かれてのグループ行動に。選択肢は、香港の景色を360°楽しめる展望台&絶品飲茶を堪能。あるいは、ロープウェイに乗って向かう香港最大の離島でフリータイムのどちらか。自ら行きたい方を決めてグループ分けをし、それぞれの集合場所に向かうというものだ。筆者はこれまでのダイジェスト記事で、このグループ分けの場面についてはあくまで結果をまとめるにとどめていたのだが、今回は多くのメンバーの“思惑”まで深く垣間見える内容だったため、特別に詳しく振り返ってみたい。 まずは、離島組の方から。こちらに集まったのは、るい(村澤瑠依)、そうた(米山颯太)、たかと(矢口昂歩)、るしあ(工藤瑠蒔愛)、はる(矢口桜咲)の全6名。思惑なしに、自分が行きたい方を素直に選んだそうた&そらを除けば、全員の予想が的中し、意中の相手と同じグループになれたメンバー揃いである。順に、たかと&はるは前日、こうしたグループ行動があったら、ジェットコースターなど、絶叫系に近い方を選ぼうと約束していた者同士。たかとが現状、最も気になっているひいろ(鈴木日彩)ではなく、はるとの会話を基準にグループ選びをしたのが意外だったが、このあたりに大きな意味はあるのだろうか。 るいも前日、そらと初対面ながら、大盛り上がりのトークを見せていたことから、自身の趣味でグループ選びをすれば間違いないと予想。フィーリングを信じて、見事に彼女と一緒になる。だが、そこにはライバルであるそうたの姿も。ここで面白かったのが、るしあの思考。実は、こちらの集合場所に誰よりも早く登場した彼女。その際、離島組に来た理由として、自分自身の好みは二の次に、そうた&そらをふたりきりにさせないため、離島組を選択する以外に考えはなかったという。 るしあの判断材料となったのは、グループ行動の内容が発表された際、そらが離島組の方にテンションが上がっていたからだ。たとえそうたと同じグループになれずとも、そらと一緒であれば、そうたと彼女がふたりきりの時間を過ごすことは阻止できる。なんたるリスクヘッジ能力。“裏”までを読んだ読みが見事に当たり、そうた&そらの間に割って入ることはできた。これまでの『今日好き』で、相手の好みを察することはあったが、その上でさらに、意中の相手がライバルとふたりきりになる可能性を潰すため、万が一に意中の相手と一緒になれないとしても、ライバルと参加グループを揃えたメンバーは数少なかったように思う。 ただ、これはあくまでも成功への第一歩。目的地に到着後、そうた&そらが2ショットを連発する可能性だってある。初日以上に積極的に、かつ頭を使って動かないと、恋の成功は程遠いのがなんとも世知辛いところだ。 ・のりか、ゆずきとの2ショットで『九龍編』最初の失恋「恋、むずかしいな」 一方の“展望台組”には、ゆずき(松田謙希)、のりか(千葉紀佳)、ひいろの3名が参加。なかでものりかは、ゆずきと同じグループになりそうな方を選び、2ショットの機会を狙っており、もし彼が自身に興味がない場合、新しい恋を探しに行くと意気込んでいたところ……ゆずきが登場! 「勝ちました!」とガッツポーズで喜びを見せるも、ゆずきが展望台組を選んだ背景には、自身が慕うひいろの影が。彼女が高所恐怖症であり、離島組が楽しむロープウェイに乗れなさそうだから、必然的に展望台組にやってきたという。のりか、速攻で負けモードに。テンションもわかりやすく下がってしまった。 前回までのダイジェスト記事でなかなか紹介の機会がなかったのだが、『九龍編』はのりかの明るさにかなり支えられている部分があると断言したい。この場面でも、ひいろを想うゆずきに対して「“ひいろてゃん”だね」と、あえて言葉を崩してみせたり、そのほかにもひいろが高所恐怖症で展望台からの絶景をいまいち楽しみきれない状況に「キレイなビュー!」とおどけてみせたり。前日夜に乗った観光バスでも、なんなら顔合わせのときに……。とにかく場を盛り上げようと、なるべく上手いことを言おう。自分がおどけて、みんなを賑わせよう。そんな彼女の気持ちが、痛いくらいに伝わってくる。 だが『今日好き』の“いい人”は、旅を継続しないと報われにくいとは、ここ何シーズンかで幾度となく記しているとおり。この後、ゆずきと2ショットをするも、自身の方には興味がない旨を告げられてしまう。その際も、彼の恋を「応援します!」と明るく振る舞い、最後にはお互いをよき相談相手として「頼りにしちゃうよ?」と、顔を覗き込むように明るい表情を演出してみせていた。ゆずきに“重い”と感じさせないよう、あえて気丈に振る舞っているのだ。 のりかの涙は見たくない。彼女を幸せにしてくれる誰かが、一刻も早く登場してくれることを心から願うにほかならない。
一条皓太