ダルビッシュ有の母・郁代「一緒に死のうか…」少年院まで行った次男の翔が大阪で130回以上炊き出しをするまで「変化した理由」
ダルビッシュ有の母、郁代さん。次男の翔は、中学3年生で初逮捕され少年院へ。その後も気苦労が絶えなかったと言いますが、人との出会いで徐々に変化をしていったと語ります(全6回中の5回)。 【画像】「奇跡の再会でピース!」長男・有と三男・賢太の兄弟愛を感じる写真から子どもの頃に兄弟で戯れている微笑ましい写真まで(全7枚)
■どんどん悪い友達と繋がるようになって ── 次男の翔さんは中学生あたりから素行の悪さで目立ち始め、中学3年生で初逮捕、その後、少年院に入った時期もありました。まず、長男の有さんは弟の翔さんに対してどんな風に接していたのでしょうか?
郁代さん:有が中学3年生のときに翔が中学1年生で、その頃から翔はだんだんと帰宅時間が遅くなっていきました。有は野球で忙しかったし、翔のことで一回一回、口を出すようなことはなかったと思います。ただ、あまりにも度を超えたときに「お前いい加減にしろよ」くらいは言ってたと思いますけど。 ── 翔さんの悪さは地元でも知られる存在になっていったそうですが、兄弟の関係性に変化はありましたか? 郁代さん:他のお母さんにも聞くんですけど、男の兄弟ってある程度、縦社会があって、外からはすごく大人しそうなお兄ちゃんに見えても、下の子たちはお兄ちゃんに逆らえなかったって。うちにもそれはあったと思います。
有は高校から全寮制の学校に進学したので中学卒業後に家を出ましたが、夏休みや年末には帰省していたんです。そのときに翔が家に帰ってこない日があると「すぐに帰ってこい!」と翔を呼び出して、翔を怒ってた、みたいなことは聞きました。 ただ、普段は有も家に居ないし、翔もどんどん悪い友達と繋がるようになって、歯止めが効かなくなっていった感じはありましたね。 ── 翔さんは中学卒業後に定時制の高校に入学。しかし入学早々に学校内で生徒と喧嘩になって、入学から1週間で無期停学に。入学から1か月後には退学して、少年院に1年強入ったそうですね。
郁代さん:翔は何度も問題を起こしていて。鑑別所か少年院か、どのタイミングかは忘れましたけど、「一緒に死のうか」って話はしました。翔がどう思ったかわからないけど、翔ひとりで逝かせんよって。覚悟を決めて一緒に死のうかって話は何度かしたことがあります。 ── その後、少年院を出所して徐々に更生されていったそうですが、翔さんが26歳のときに野球賭博で逮捕されました。その頃すでに有さんはメジャーリーグで活躍中でしたが、このことがきっかけで大きく報道されたのでしょうか?
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