“韓国チャート総なめ”の人気アーティストで女優のキム・ヒョンソとは?「江南Bサイド」ではアンニュイな魅力を放つ美女役
チョ・ウジン&チ・チャンウクW主演の韓国ドラマ「江南(カンナム)Bサイド」でアンニュイな魅力を放つクラブ嬢キム・ジェヒ。演じるキム・ヒョンソは、韓国のチャートを総なめにする人気アーティスト“BIBI”の顔も持つ。俳優としての出演作はまだ少ないながら、強烈な存在感でチャンウクやソン・ジュンギなどスター俳優たちに一目置かれるキム・ヒョンソのキャリアを振り返る。 【写真】アンニュイな魅力にメロメロ…体操服姿のBIBI ■「江南Bサイド」「熱血司祭2」に出演中 「江南Bサイド」は、ウジン演じるドンウ、チャンウク演じるギルホらが江南で失踪した“クラブのエース”を追うノンストップ・サスペンス。ドンウ、ギルホらがその行方を追うことになるのが、ヒョンソ演じるジェヒだ。パク・ヌリ監督が「ジェヒにピッタリ。ヒョンソさんをイメージしながら脚本を書いたくらいです」とまで惚れ込み、主演のウジン&チャンウクよりも先にキャスティングしたという。 さらにヒョンソは、同じく韓国で放送&日本でも同日配信中のドラマ「熱血司祭2」にも、主人公の司祭キム・ヘイル(キム・ナムギル)に協力するけんかっ早い女性刑事ク・ジャヨン役で出演中。こちらでも、新たな一面を見せている。 だが、“シンガーソングライターのBIBI”と言ったほうがもっと通りがいいかもしれない。2022年にリリースした1stフルアルバム『Lowlife Princess-Noir』のタイトル曲「BIBI Vengeance」は2種類のオフィシャルMV合計で1億3000万回視聴を突破。ずば抜けた歌唱力とダークな世界観が魅力のアーティストだ。 ■退廃的な世界観が人気「栗ようかん」も大ヒット 15歳の時、“中二病のせいで”ヒップホップ音楽に興味を持ち、ラップを書いたり曲を作ったりし始めたというヒョンソ。ジェネイ・アイコやケラーニを聴きまくり、高校生の時に音声ファイル共有サービスSoundCloudに自作曲の投稿をスタート。20歳になった2018年に音楽サバイバル番組「THE FAN」で準優勝し、2019年に1stシングル「BINU(石鹸)」でデビューした。 アメリカのメディアプラットフォーム・88risingと組んで発売したシングル「The Weekend」がアメリカの音楽市場でも注目を集めたほか、スイートな歌声と退廃的な世界観のギャップが10代、20代の若者を魅了。IVEのREIなどK-POPの若手アーティストの中にもファンが多い。 TWICEの「MORE & MORE」に作詞参加しているほか、2023年9月に公開された楽曲「Hongdae(弘大) R&B」の公式MVはわずか1カ月の間にYouTubeで5500万回再生を突破。2024年2月には、従来のダークでノーティなイメージとは真逆のワルツ風のメロディーが愛らしくも中毒性たっぷりの楽曲「Bam Yang Gang(栗ようかん)」が韓国の主要音楽配信サービスで軒並み1位を記録する大ヒット。さらに、11月14日にリリースされたばかりの最新曲「Derre」MVも公開から5日で1800万回を突破するなど、音楽シーンで熱い注目を集めるアーティストだ。 ■「このろくでもない世界で」で百想芸術大賞「新人演技賞」受賞 そんなヒョンソは2021年に映画に出演しているものの、2023年の映画「このろくでもない世界で」が本格的な演技初挑戦作品。人気俳優のソン・ジュンギがノーギャラで出演するほどほれ込んだ同作で、ヒョンソは熾烈なオーディションを勝ち抜き、裏社会で犯罪に手を染めていく主人公の少年ヨンギュ(ホン・サビン)の義理の妹ハヤンを熱演した。 ヨンギュを守ろうとするけなげで芯の強いハヤンのキャラクターは業界関係者にも広く認められ、ヒョンソは同作で2024年百想芸術大賞「新人演技賞」を獲得。ヒョンソ自身が「私が大人の道へと新たな一歩を踏み出すことができる映画」と語った通り、彼女はこの作品で俳優としての人生を切り開いた。 2023年のドラマ「最悪の悪」では、麻薬工場を取り仕切る中国系韓国人“ミス・リー”ことヘリョンを熱演。アーティスト・BIBIの世界観がそのまま投影されたような陰影のあるキャラクターで、チャンウク演じるジュンモに興味を持って接近していく裏社会の女性を色気たっぷりに演じて存在感を見せつけた。 ■「江南Bサイド」では切ない孤独を表現 「江南Bサイド」では、「最悪の悪」に続いてチャンウクと2度目の共演。11月13日に配信された第3話では、ジェヒ(ヒョンソ)とギルホ(チャンウク)が“クラブに派遣されるコンパニオンとその送迎係”として、友情のような関係性を築いていく過程が回想シーンで描かれた。「死ぬ場所は自分で決めたい」と寂しげな眼でギルホを見つめるジェヒ。そのまなざしからは、孤独が痛いほど伝わってくる。 一方、「熱血司祭2」では威勢のいい女性刑事ジャヨンを熱演中。破天荒な司祭・ヘイル(キム・ナムギル)を初めは信じられない様子だったジャヨンが徐々に心を開いていく過程を、コメディー色たっぷりに演じている。 俳優としての経験は2年ほどながら出演する作品ごとに強烈な印象を残すヒョンソに、共演俳優たちも大いに刺激を受けている。 「江南Bサイド」で2回目の共演となったチャンウクは、会見で「『最悪の悪』のときの印象がとても良くて、ヒョンソさんがキャスティングされていると聞き、出演が楽しみになりました。ヒョンソさんは、キャラクターの解釈が新鮮なんです。今回もヒョンソさんの演技、行動が刺激になりましたし、現場も楽しかったです」とべた褒め。 「このろくでもない世界で」で共演したソン・ジュンギも、同作のコメンタリーで「ヒョンソはすごいです。いろいろな方法で自分を表現するアーティストだと思います」「一番大きな魅力は正直さ。すべてを備えた人だと思います」と惜しみない賛辞を送っている。 ■アイドル大好き!NewJeans愛が止まらない 素顔は女子アイドルが大好きで、中でもNewJeansの大ファン。「第44回青龍映画賞」(2023年)では、NewJeansの祝賀ステージが始まると、客席で大興奮。パフォーマンス中何度も歓声を上げ、ステージが終了すると涙ぐむ姿まで見せ、大きな話題を呼んだ。今年2月に音楽番組「リムジンサービス」に出演した際には「まず(NewJeansの)音楽が大好きです。ビジュアルもおしゃれで小っちゃくてかわいくて。世界観も好きな世界観で…好き過ぎるんです」とNewJeans愛を吐露。最近は2023年デビューの新人女性グループKISS OF LIFEもお気に入りだと打ち明けた。 確固たる世界観を持ち、自ら作詞作曲もするクリエイティビティを演技でも発揮し、ちょっと危うくて目が離せない魅力を持ったキャラクターを次々と生み出しているヒョンソ。彼女の音楽世界だけでなく、演技からもますます目が離せなくなりそうだ。 なお、ソウルの歓楽街を舞台に繰り広げられる追跡ゲームを描く「江南Bサイド」はディズニープラスのスターで毎週水曜に独占配信中。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部