Jリーガーには移籍がつきもの?
2月に入り、Jリーグから各チームの今季登録選手リストが発表された。そこには各選手の生年月日や身長体重、出身地などが記載されているのだが、今回はその中から「前所属チーム」の部分に焦点を当ててみたいと思う。 ここでいう「前所属チーム」とは、過去に所属したチームのことで、新人選手であれば所属していた「高校」「大学」、移籍選手であればそれまでに所属していた「チーム」が記載してある。それを「移籍経験選手」「生え抜き」「レンタルバック」「新人」と4つのカテゴリーに分け、球団別にどのような経歴を持った選手が多いのかをみていきたい。 各カテゴリーの説明は以下の通り。 ・移籍経験選手:完全移籍を経験したことのある選手 ・生え抜き:入団から現在まで同じチームに所属している選手 ・レンタルバック:所属元が変わったことがなく、レンタル移籍のみ経験した選手(将来を見据えた育成目的の移籍) ・新人:高卒、大学卒、社会人などから新人で2016年に新入団した選手
■半数以上が完全移籍を経験
表1には、カテゴリーごとにJ1とJ2の違いをまとめた。リーグ全体でみた場合、58.4%もの選手が完全移籍を経験しているが、これについては、同じチームで現役生活を終えることの難しさよりも、サッカー独特の選手契約の存在が影響を与えているように思われる。サッカーはプロ野球とは違って選手生命が短く、短い契約期間が満了となった末に移籍先を求める状況や、好条件のオファーが舞い込み移籍する、というようなことが珍しくないだけに、このデータも納得がいく。 また、リーグ間における相違点では、移籍経験有の選手がJ2に多い一方で、生え抜きやレンタルバックの選手はJ1に多くなっている。現在のリーグ間移籍の流れとして、J1経験豊富な選手がJ2へ完全移籍することや、育成目的で若手をJ1からJ2へ武者修行に出すことが多い点を考慮すると、移籍の構図を表したデータと言える。