「ヒョンデ アイオニック5 ロボットタクシー」が米国で運転免許の模擬試験を満点でクリア
AI自動運転車が運転免許試験に合格できる時代が来た
運転免許試験をチェックするのは、日本では運転免許試験場に相当する、米国Department of Motor Vehicles(車両管理局)認定運転試験官を25年間務める大ベテラン、Kandice Jones(キャンディス・ジョーンズ)氏だ。 彼女はこの25年間、公共の安全のために何千人もの受験者を落第させてきたというが、「IONIQ 5 ロボットタクシー」には果たしてどのような評価が下されるのだろうか。 ジョーンズ氏の監視のもと、クローズドコースで実施された模擬試験では、「IONIQ 5 ロボットタクシー」は、速度制御、車線変更と操作、一時停止標識での正確な停止、左折、そして危険発生に対する反応時間の各項目において優秀との評価を得た。 また、動画内では、ラスベガス市内の大通り「ラスベガス・ストリップ」やラスベガス郊外を難なく走行している様子も収められており、他のドライバーがいる公道環境でもきちんとAI自律運転が機能していることも証明している。 最終的な評価は、なんと満点。動画内では、ジョーンズ氏が無事試験に合格した証に「IONIQ 5 ロボットタクシー」にネバダ州の運転免許証を発行し、人間と遜色ない運転が可能なことを認めた。
AIが人間を代替する日が近づいていると実感
ヒョンデによると、今回実施された模擬運転免許試験は、ネバダ州車両管理局の認可・認定を受けた公式なものではなく、動画内で発行された運転免許証もネバダ州車両管理局の認可を受けない、いわば演出上のレプリカ免許証であるそうで、正式なライセンス取得とは言えない点は少し残念である。 とはいえ、自動運転車が本物の試験官から合格をもらえるレベルに到達したということは、AIの認知・運転能力が人間の能力に追いつきつつあるということを表しており、完全自動運転の実現が着実に近づいていることを示唆する一種のターニングポイントを迎えたと言えるのではないだろうか。 自動運転技術は一般のユーザーだけでなく身障者も含めたすべての人がそのメリットを享受できるモビリティ社会を創り上げる手助けになることは間違いない。今後の「IONIQ 5 ロボットタクシー」の行方には要注目である。