自民、政治家の個人献金で税優遇禁止へ 「抜け道」と批判で見直し
自民党は、政治家が政党支部に個人献金して税優遇を受けることを禁止する調整に入った。税優遇を巡っては、自民党の菅家(かんけ)一郎元副復興相が安倍派からのキックバック(還流)を原資に自らが代表を務める政党支部に寄付し、税優遇を受けたことが毎日新聞の報道で発覚。「抜け道」との批判が高まったことを受け、法制度を見直す。 【写真で見る】自民から立憲まで…税優遇が判明した政治家たち 一方、自民は政治家以外の個人が献金した場合の税優遇については拡大する検討に入った。個人献金を促進することで企業・団体献金の割合を減らし、政治改革に前向きな姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。 租税特別措置法では、個人が政党などに寄付した場合、寄付額の約3割が税額控除されるか、課税対象の所得総額から寄付分が差し引かれる。自民は、税額控除の割合について、現在の約3割から引き上げる案などを検討している。 国会議員の税優遇を巡っては、菅家氏以外にも複数の与野党議員が、政党支部に寄付することで所得税の控除を受けていたことが判明している。ただし、先の通常国会で成立した改正政治資金規正法では、国会議員を優遇の適用外とする措置を「検討」すると付則に記すにとどまっていた。 自民は15日に政治改革本部ワーキングチームの会合を開き、政治改革原案について協議する。税優遇以外には、政策活動費の廃止▽第三者機関の設置▽調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開や残金返納――などについて議論する方針だ。【高橋祐貴】