ジャンボタニシ 駆除の方法とは… 武雄市が講習会、田植え前に散布を
ジャンボタニシ(正式名称スクミリンゴガイ)による水稲の食害を防ごうと、武雄市は対策講習会を市内のJAさが武雄支所で開いた。農業者が参加し、田植え前に石灰窒素を散布して駆除する方法を学んだ。 今年は6月に県全域にジャンボタニシの注意報が出され、市内ではこれまで17・86ヘクタールのジャンボタニシの被害が報告されている。講習会は10~13日に計6回行われ、対象の稲作農家1640戸のうち約370戸から申し込みがあった。 JAさがや日本石灰窒素工業会の担当者が駆除、防除について説明した。石灰窒素による田植え前の駆除では、荒起こしをして越冬したタニシを活動させるため、水を3~4日張った後に石灰窒素を散布するとの説明があった。さらに3~4日湛水(たんすい)した後に代かきをして、石灰窒素を農薬効果から肥料効果に変えるため2~3日以上あけてから田植えをすると紹介した。 同会普及専門委員会の坂下普志委員長は「水温は17度以上で実施を。石灰窒素をまいてから田植えまでは7日以上あけてほしい。魚毒性が高いので、漏水防止対策をし、散布後7日間は落水、かけ流しはしないで」と注意点を挙げた。窒素成分を含むため、元肥を減らす調整も必要とした。 参加した農業者(54)は「今年は被害がひどく、対策のために話を聞きに来た。広域で取り組む必要があるのでは」と話した。市は講習会に参加した農業者のうち希望者に石灰窒素を配布し、効果を調べる実証試験を行う。(古賀真理子)
古賀真理子