韓国の福祉支出増加率「最高」…対GDP比では最低
韓国の福祉支出の増加率は主要国家で最も高いが、福祉支出が国内総生産(GDP)に占める比率は最も低いことが分かった。 韓国政府は21日、第34回社会保障委員会(委員長・首相)の書面会議を開き、第4回社会保障財政推計を審議・議決した。財政推計は人口・経済変化などを反映して公共社会福祉支出(以下、福祉支出)の推移と増加速度を2年ごとに確認する手続きをいう。 この推計は2024~2065年の40年間の保健・家族・老齢・失業・住居など9大分野別の社会保険と一般財政(予算)支出規模を試算している。国民・公務員・軍人・私学年金の4大公的年金と健康・長期療養・産災・雇用などの4大社会保険、中央・地方政府・公企業の公共扶助(基礎生活保障など)・社会サービス(保育など)のような予算を推計する。 韓国の福祉支出は今年、国内総生産(GDP)の15.5%だ。2065年にはこれが26.9%に増える。高齢者の増加のため保健・遺族・老齢分野の増加率が高い。反面、少子化のため家族分野はGDPの1.7%から0.9%に縮小する。 2年前の推計時よりも2060年財政支出規模が162兆ウォン(約17兆.8960億円)増えた。人口減少、名目賃金上昇率の下落などで社会保険支出は47兆ウォン減少することが予想されるが、両親給与の導入、基準中位所得の引き上げ、扶養義務者の基準廃止などで予算支出は209兆ウォン増えると推計した。 韓国の福祉支出は過去10年間(2009~2019年)、年平均9.3%急増してきた。主要国家でスウェーデン(3.4%)・米国(3.8%)・ドイツ(3.1%)・日本(2.1%)よりも高い。経済協力開発機構(OECD)平均増加率は4.1%だ。韓国増加率はこの2.3倍に達する。社会保障委員会は今後40年間で年平均増加率が4.2%に落ちると予想した。高齢人口の増加傾向が弱まり、年金が成熟するためだ。 それでも福祉支出の規模が主要国家のうちで最も低い。超高齢社会(高齢者人口20%以上)進入時点を基準とし、韓国(2025年進入)は15.9%だ。フランス(2019年30.7%)、フィンランド(2015年30.5%)、日本(2005年、16.9%)よりも低い。 ただし、このまま行けば韓国は2039年の福祉支出が20%に上昇し、OECDの2019年平均(20.1%)に到達する。