10月から初乗り170円→200円に値上げへ 消費税の改定を除くと28年ぶり 家計への負担考慮し通学定期券は値上げせず 秩父鉄道
秩父鉄道(本社・埼玉県熊谷市)は26日までに、国交省関東運輸局に旅客運賃改定を申請したと発表した。認可されれば、初乗り運賃(1~4キロ)は170円から200円に、1カ月定期も6250円から7560円に引き上げられる。10月1日予定の運賃の値上げは消費税率の改定による変更を除き、1996年以来となる28年ぶり。通学定期券は家計への負担を考慮し、運賃改定は行わず、現行運賃のままという。 同社は県北部を東西に結ぶ地方鉄道。羽生―三峰口(秩父市)間の輸送人員は1996年度の1110万人から減少の一途をたどり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2020年度には529万人までに減少。旅客収入は18年度実績に対し、20年度は61・5%、21年度は73・3%。22年度は85・7%で、回復していない状況になっている。 同社は22年からICカード乗車券システムを導入。人気のあるSLパレオエクスプレスも23年に料金を740円から1100円に改定し、秩父鉄道SL予約システムの事前予約でクレジットカード決済(千円)による事前決済も導入した。今後も列車運行管理システムの更新や設備保全を計画しているが、電気料金の上昇や沿線人口減少などで影響も受けているという。
同社は「今後もテレワークの定着による通勤定期需要の減少、沿線就学人口の減少による通学定期需要の減少などにより、回復も限定的と想定している」と理解を求めている。
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