「飛躍」な乗り心地とインテリア 新型フォルクスワーゲン・パサートへ試乗 9代目でエンジン最後?
9代目で内燃エンジンは最後? ボディは拡大
50年以上に渡り、述べ3000万台以上が生産されてきた、フォルクスワーゲン・パサート。実は同社のゴルフより1年早い、1973年の発売で、現在のラインナップでは最も長い歴史を有する。 【写真】乗り心地とインテリアが飛躍! VWパサート 競合クラスのモデルと比較 ID.7も (128枚) 9代目へモデルチェンジしたパサートは、内燃エンジンを積む最後の世代になると考えられている。同等クラスに相当し、サルーンとステーションワゴンを選べるフォルクスワーゲンID.7が登場したことで、恐らくそれは現実となるのだろう。 ちなみに、9代目はステーションワゴンのみ。サルーンは提供されない。 新しいパサートが基礎骨格とするのは、MQBエボと呼ばれるプラットフォームで、基本的には8代目の進化版。大幅に改良されており、リア回りは高剛性・低振動化のため再設計された。 それに伴い、ボディサイズも拡大している。全長4917mm、全幅1849mm、全高1497mmで、8代目から144mm長く、20mm広く、10mm低い。ホイールベースは、50mm伸びて2841mmとなった。 パワートレインは、ガソリン・ターボエンジンと、それがベースの各種ハイブリッド、合計8種類が用意される。インテリアは高品質で、モダンなデジタル技術と余裕ある空間が与えられている。生産は、スロベニア・ブラチスラヴァで行われる。 スタイリングは、紛うことなきパサート。間違いなく新しい印象を与えるものの、歴代へ通じる特徴も残された。 フロントグリル上端には、細いデイライトが伸びる。フロントバンパーはワイドにえぐられ、ブラック・トリムで覆われたエアインテークが口を開く。
かつてないほど豪華な内装 荷室も広々
ボディが拡大したことで、車内空間にはゆとりが生まれた。特にリアシート側は、前後長で50mm広くなっている。荷室容量は、先代から40L増しの690L。40:20:40に分割できる背もたれを倒せば、1920Lの空間が得られる。 パワーテールゲートは標準装備。フラットな荷室のフロアは低く、重い荷物も積みやすいはず。 インテリアは、かつてないほど豪華。ダッシュボードには、カラーを変更できる照明内蔵の化粧トリムが与えられ、素材も高品質。メルセデス・ベンツCクラスへ、大きく迫ったといっていい。全体的なデザインは、バッテリーEVのID.7へ通じる。 ダッシュボード上には、10.3インチのメーター用モニターと、12.9インチのインフォテインメント用タッチモニターが並ぶ。システムはフォルクスワーゲン・グループ最新のMIBが稼働する。人工知能を利用した、音声操作にも対応するという。 オプションで、タッチモニターは15.0インチへ拡大可能。試乗車には装備されていた。ヘッドアップ・ディスプレイも追加できる。 ステアリングホイールには、若干感度の悪かったタッチセンサーの代わりに、実際に押せるハードボタンが復活。エアコンの操作系は、タッチモニター下部へ集約されている。タッチセンサー式のスライダーは反応が良くなり、夜間は光るようになった。 シフトセレクターは、ステアリングコラムのレバー。スマートフォンのワイヤレス充電パッドや、USBポートなど装備は充実し、小物入れも大きい。