フウガドールすみだの北隅智宙監督

1月7日、名古屋金城ふ頭アリーナにてFリーグ2023-2024ディビジョン1ファイナルシーズン下位リーグ・第26節が行われ、フウガドールすみだとエスポラーダ北海道が対戦。すみだが2-0で勝利した。 前日の湘南ベルマーレ戦に敗れているすみだが、同じく前日のボルクバレット北九州戦に敗れて入れ替え戦に回ることが決まった北海道と対戦した。すみだは序盤、清水誠也が積極的にシュートに持っていくもチャンスを決めきれず。ハーフタイムにかけては北海道のカウンターに苦しめられた。しかし無失点で乗り切ると、29分にセットプレーから伊藤諄哉がネットを揺らすと、32分には西田泰人もゴールを奪い2点をリードする。終盤は北海道のパワープレーを凌ぎ、白星を手にした。 試合を終え、北隅智宙監督と畠山勇気が記者会見に出席した。

今季6度目のクリーンシートを評価

●フウガドールすみだ｜北隅智宙監督 ──今日の試合を振り返って。 北海道らしいというか、随所に相手の良さがあったなかで、こちらは再現性のないプレーやアイデアで、北海道の良さを消すのが難しかったです。それでも、粘り強い守備から試合を動かしました。こういうシーンは、今シーズンたくさんありました。これで、6回目のクリーンシート。GKがみんな1回ずつ、清家大葵GKコーチの下で、岸将太など、強い相手にスコアを動かした後、自分たちがどう振る舞うべきかがあらわれていました。これは選手の努力だと思っています。 ファイナルシーズンに入ってからチームの一体感や前向きさ。これはもともとそのマインドですけど、さらに団結が目に見えるほどに感じていて選手のパワーが素晴らしいな、と。自分が早い段階で勝利を届けられるチームにできていたら、もっと上の順位にいられたと思います。ただ、残り1節はホームの墨田区総合体育館でできるアドバンテージがあります。僕たちは、ホームで本当に強いですから。地の利を生かして、最終戦を勝って終えたいです。 ──GKに本地一貴選手を起用した意図と評価。 評価は結果の通りです。細かい中身はどうであれ、失点ゼロが物語っています。起用した理由は、自分のスタイルです。ピッチに立った選手こそが成長すると考えていますし、そのチャンスを与えられるのは自分だけです。 チャンスを与えて、40分間で大きな成長をしてくれたらと思っています。今シーズン、GKグループが大きな成長をしていて、日頃から拮抗しています。本地については、自分よりさらに若い入江（悠斗）に先を越されていたなかでもモチベーションを保てていたので、チャンスを与え、今日は100点以上の仕事をしました。 GK陣、スタッフを含めて満足しています。 ──最初は緊張しているようにも見えました。 彼自身は「緊張していない」と言うのですが、けっこう緊張しています（笑）。おそらく、今シーズンの大阪戦で、（途中出場して）パワープレーから3失点して追いつかれたことが、彼のなかで悪い印象もあって、硬くなっているのかなと思います。緊張が顔には出ないですけど、プレーでは緊張を感じるアクションをしていて、その点はまだ成長する余白の部分。 実際、みんなもかなり彼をはやし立てるので、そうした部分も楽しんでほしいですね。緊張していないと言いつつも、今の実力が出てしまったところもあるかなと自分は捉えています。 ──次は最終節ですが“消化試合”でもあります。一方で、墨田での試合で、引退する選手もいるなど、そこへ向けたモチベーションも大きいのではないでしょうか。 モチベーションの話をしたら、たしかに、リーグ戦において何も結果が変わるものではないですけど、自分たちは全日本選手権を獲っていて、連覇できる唯一のクラブです。それが大きなモチベーションですし、今年やってきた自分の仕事としても、最後までやり方を示したいと思います。（若い選手を起用して、その選手が結果を出したことが）ラッキーではないと最終戦で見せたい。自分は今シーズンで退任しますけど、やってきた仕事は日本のトップレベルのリーグでも選手が成長できると示すこと。勝てない時期が続きましたが、自信をもって成長に目を向けてきたことを、最後に結果につなげたい。 勝ち点3につなげられたら最高ですし、連覇を狙うための一つのゲーム。そこにトライしていきたいです。