英ウェールズの技術センターでラズベリーパイのコンピューターの品質検査をする従業員

（ＣＮＮ）　小型コンピューターの開発を手がける英ラズベリーパイが１１日、英ロンドン証券取引所に上場を果たし、投資家の注目を集めている。 ラズベリーパイは取引開始直後に４０％急騰し、その後は多少下落したものの、上場価格を約３８％上回る３．８５ポンド（約７７０円）で取引された。時価総額は約５億４２００万ポンドとなった。 同社は２０１２年、ラズベリーパイ財団の子会社として設立された。財団は学校でコンピューター科学を推進する目的でその４年前に設立された慈善団体。ラズベリーパイは小型ながらもフル機能を搭載したコンピューターとして有名になった。価格はわずか３５ドルという製品もある。 サイズはクレジットカードほどのものもあり、デスクトップパソコンのディスプレーに接続したり、スマートスピーカーやロボットなどの部品として使用したりもできる。 公式サイトによると、ラズベリーパイがこれまでに世界で販売したコンピューターは６０００万台を超す。７０％以上はＩＴ企業やメーカーといった業界の顧客が調達しており、ハイテク農業システムからビールの自動サーバーに至るまであらゆる製品に採用されている。 それ以外では教育機関やコンピューター科学の「ファン」に販売しているという。 ２０２２年にはケンブリッジ大学が、最も安い３５ドルのラズベリーパイを「英国発のベストセラーコンピューター」と位置付けた。 金融情報サービスのディーロジックによると、同社が新規株式公開（ＩＰＯ）で調達した１億６６００万ポンドは、英国で今年に入って２番目の規模だった。 調達した資金は製品開発や教育活動の拡大に充てる計画。