「闇バイト強盗」で防犯グッズに関心 ホームセンターで売れ行き増 取り付け簡単な商品が品薄
交流サイト(SNS)などで実行役を募る「闇バイト」による民家を狙った強盗事件が首都圏を中心に相次ぐのを受け、中国地方のホームセンターで防犯グッズの売れ行きが伸びている。警察が「いつ誰が狙われるか分からない」と警戒を促す中、手頃な価格で取り付けが簡単な商品が品薄になっている。 自宅の一室を緊急時に避難できる「パニック・ルーム」に必要な備え ジュンテンドー(島根県益田市)は、全122店で集計した10月末から今月初旬にかけての1週間の防犯グッズの売り上げが約1カ月前と比べて2・3倍に増えた。人の動きに反応して光るセンサーライトは、約1カ月前に約1900個だった販売数が約4200個に急増した。 沼田店(広島市安佐南区)では、窓ガラスを割れにくくする防犯フィルムが品切れに。向井祥吾副店長(41)は「窓のサッシに付ける補助錠や、踏むと大きな音が出る砂利など数千円の商品がよく売れる。一戸建てが多い郊外店なので問い合わせが多い」と説明する。 タイム(岡山市北区)のバイヤー北山敦さん(45)は「ルフィを名乗る広域強盗事件が盛んに報道されて以来の売れ行き」と受け止める。ユーホー(広島県福山市)では「数万円する防犯カメラやドアホンを取り付ける人も多い」(営業企画事務室)という。 戸締まり強化への関心も高い。鍵の交換・修理業27年という佐々木賢次さん(73)=安佐南区=は「1人暮らしの高齢者から『心配だから鍵を新調したい』という声を最近よく聞く」と話す。 闇バイトによる強盗事件は首都圏を中心に相次ぎ、全国に広がりを見せる。中国地方では10月21日、山口県光市の民家に強盗に入ろうとしたなどとして関東地方の中高生3人が強盗予備の疑いで逮捕、同容疑で今月8日に家裁送致された。 広島県警によると、2020年以降に県内で発生した住宅を狙った強盗事件は8件(10月末現在)。19年に356件あった空き巣は23年に190件と減少傾向にある。太田貴之・減らそう犯罪情報官は「わが家は大丈夫、という考えは通用しない。自分ごととして警戒して」と呼びかける。
中国新聞社