【評価は天と地の差】普通の人は「すぐやる」だけで満足する。では、本当に優秀な人は何を大事にしている?
「仕事において、“すぐやる”よりも大事なことがあります」 そう語るのは、転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さん。1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験を持つヘッドハンターであり、「現場」と「経営者」の両方の視点で、「圧倒的に活躍する人たち」と関わってきました。 その高野さんがベンチャー流の「結果を出す働き方」をまとめた書籍『ベンチャーの作法』が刊行。発売たちまち重版し、“きれいごと”抜きの仕事論に、社員からは「もっと早く知りたかった!」、経営者からは「よくぞここまで書いてくれた!」と、SNSでも多数の感想が投稿されるなど異例の反響となっています。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「仕事においていちばん大事なこと」についてお伝えします。 ● 「やる」よりも大事なこと 自分でやる。すぐにやる。たくさんやる。 「行動」の大切さを伝えてきました。 でもじつは、「やる」だけでは不十分です。 セカンドペンギンが海に飛び込んだところで、魚を捕まえることができなければ「群れ」はついてきません。 「やる」よりも重要なこと。 それは、結果が出るまで「やり抜く」ことです。 ペンシルベニア大学のアンジェラ・ダックワース教授は「やり抜く力」を「GRIT」と表現し、そのことを書いた著書は日本でも30万部超のベストセラーになりました。 ニデック株式会社(旧・日本電産株式会社)の永守重信会長も社長時代、同社の「三大精神」のひとつに「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」を掲げました。 ● 経営者が人を評価するときに見ていること 仕事の結果が出るまでやり抜く人。 そんな人はベンチャーはもちろん、どんな環境でも評価されます。 こういう話をすると「古いよね」などと言われたりするのですが、年齢を問わず結果を出している経営者は皆、同じようなことを言っています。 ですからこれは真理なのでしょう。 経営者が人を評価するときも、「やり抜く人かどうか」を見ています。 結果が出るまでやり抜いてくれるかどうか、です。 ● 絶対に「負けない」たった1つの方法 これほどまでに「やり抜く」ことを重視するのには、理由があります。 最後に勝つのは「やり抜いた」人や企業だからです。 ビジネスの摂理として、人気が出たビジネスには多くの企業が参入してきます。先述のように、GAFAMもすべて後発で市場に参入したと言われています。 日本を代表するメガベンチャーの楽天、サイバーエージェント、DeNAなども、すべて後発の事業モデルです。セカンドペンギンですらなく、サードだったり、もっと後発であったりするわけです。 ユーザーからすると最初に始めた企業かどうかなんて関係ありません。自分にとっていちばん良い価値を提供してくれる企業を支持するだけです。 となると重要なのは、掲げた戦略を結果が出るまでやり抜けるかどうかです。 勝てるまでやれば、絶対に負けません。 着実に任務を遂行するフォロワーシップ、または人を動かすリーダーシップ。どちらでもいいから、とにかく「結果が出るまでやる」ことが、ベンチャーにおいて求められる行動の最適解なのです。 (本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)
高野秀敏